漫画家は一発当てると大きいと言われることがあるものの、実態は極めて不安定な職業である。漫画家は基本的にフリーランスであり、いつ仕事がなくなるのかわからないからだ。かつてヒットを出した連載作家であっても、人気が得られずに打ち切られてしまうと、仕事を一から探さなければならないのである。 ただし、20年ほど前までなら、雑誌が数十万部、数百万部と刊行されて勢いがあったし、なにより単行本の初版の発行部数が多かった。大手であれば新人の最初の単行本でも3万部、5万部という設定は普通にあり、そのぶん印税が入ったので、仮に打ち切りに見舞われても、次の仕事を探すまでの間の生活費はそれなりに確保できた。 現在は、単行本の初版が極めて低く抑えられている。それなりに名が知れた出版社であっても数千部が珍しくなく、3000部スタートという話も聞く。これでは、連載作家は生活が難しい。そもそも、連載に必要なアシスタントへの