アワビ、サザエ、カニ、ナマコ──高級食材として知られる海産物が、密漁によって暴力団の資金源となっていることはあまり知られていない。密漁は暴力団の主要な“シノギ”のひとつとなっており、ヤクザたちは地元の漁師や漁業協働同組合関係者と絡みながら、日夜闇夜に紛れ海に潜り続けている。 そんな「密漁」をテーマに描かれたマンガ『ヒソカニアサレ』(小学館)の単行本第2巻が、10月19日に発売された。田舎漁師の子である主人公が暴力団によるアワビの密漁被害を目の当たりにし、自分も密漁に手を染める決断をするという手に汗握る展開が魅力で、ノンフィクションライターの鈴木智彦氏と直木賞作家の佐藤究氏が帯コメントを寄せるなど、第1巻発売より話題を呼んできた。 アングラな世界観をリアルに描くこのマンガの原作者・古町さんは、なんと22歳。なぜ若くして「密漁」をテーマに選んだのか、作品を通じて伝えたいメッセージは何か。その思