この作業机から数々の恐怖が生まれた。歯科技工士時代の工具で、画具をカスタマイズすることも(撮影/東川哲也) ロフト付きベッドの下が作業スペース。画具を吊り下げるフックなどさまざまな工夫がしてある。後ろの棚には画集やDVDがびっしり。ネジや乾電池など備品は引き出しにキッチリ整頓されている(撮影/東川哲也) ホラー漫画家、伊藤潤二。『富江』『うずまき』などの代表作を持ち、2019年にはアイズナー賞を受賞。世界中に伊藤潤二のホラー漫画ファンがいる。ゾクゾクする感覚がおもしろくて、ホラー漫画にハマった。ホラー漫画以外は描こうと思ったこともない。じわじわと、まるで肌にまで侵食していくような恐ろしさ。一筆一筆、ときに一コマ9時間かけて恐怖を描く。 【写真を見る】ロフト付きベッドの下が作業スペース * * * その日、東京・築地の朝日新聞社の地下スタジオで、世にも恐ろしい収録が行われていた。伊藤潤二