切り餅にはいった「切り込み」の特許を侵害されたとして、食品メーカーの越後製菓(新潟県長岡市)が、同業の佐藤食品工業(新潟市)を相手取り、5品目の製造・販売差し止めと約14億8000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であり、大鷹一郎裁判長は「特許技術には当たらない」などとして請求を棄却した。 判決などによると、越後製菓は側面に切り込みを入れることで、焼いても中身が噴き出しにくく食べやすい切り餅を開発し、特許登録された。一方、佐藤食品工業側の商品は「こんがりうまカット」と称して、側面に加え、上下面にも十字の切り込みを入れている。 大鷹裁判長は越後製菓の特許の内容が、切り餅の側面に切り込みに限定したものであることを指摘。上下両面にも切り込みがある佐藤食品工業の製品は「(原告側の)発明の技術的な範囲に属さない」と結論づけた。