歌い始めは瀬底島 生物学の歌をつくって講義で歌っています。 ただしはじめから「生物学の歌」などという際物をつくろうと思ったわけではありません。 30才の時ですが、琉球大学に赴任して、瀬底島の臨海実験所を仕事場にしました。沖縄本島の北部、本部(もとぶ)半島のすぐ先に瀬底島(せそこ)が浮かんでいます。そこに海の生物を研究する施設(臨海実験所)があります。当時、研究員1名。そこに泊まり込んで実験をしていました。卒業研究の学生が数名、やはり泊まり込みで仕事をしています。 まわりはお墓とサトウキビ畑。人家は、ハブのうようよいる丘を越えていかなければいけません。真っ暗な闇の道。道には細長いものが、しょっちゅう横たわっています。たいていはサトウキビの茎なのですが、ハブと区別はつきません。 島の中のわらに孤立した島のようなところですから、仕事が終わって、夜、やることと言えば泡盛を飲むことぐらい。