— 学生の地頭は、高校名で決まる これは、新卒マーケットに存在する『定説』だ。いわく、出身大学よりも出身「高校」のほうが、学生の地頭を測るには正確だというのだ。だから企業によっては「出身高校」を見るのだ。だが、もしこの説が本当であれば、大学とはいったい「何を学ぶ場所」なのだろうか? 今回、この疑問を東京大学の名誉教授である早野龍五氏にぶつけてみた。北野唯我の『激論』シリーズ、二人の白熱する議論をお楽しみください。 「こんな時代に大学で学ぶ。そこに、意味はあるのでしょうか? 早野先生」 早野龍五(はやのりゅうご):物理学者。東京大学大学院理学系研究科元教授、現同大学名誉教授。専門はエキゾチック原子。世界最大の加速器を擁するスイスのCERN(欧州合同原子核研究機関)を拠点に、反陽子ヘリウム原子と反水素原子の研究を行った。『知ろうとすること。(糸井重里共著、新潮社・新潮文庫)』 北野:新卒マーケ