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ブックマーク / zenn.dev/herumi (3)

  • 楕円ElGamal暗号の変種とその安全性

    初めに 『暗号技術のすべて』(IPUSIRON)を読んでいたら、私が知ってる楕円ElGamal暗号と少し違う方式(変種)が紹介されていました。 「なるほど、そういうのもあるのだな」と思ったのですが、よく考えると安全性が損なわれているのではと思って考えたことを書いてみます。 単に、不勉強な私が知らなかっただけで大昔からの既知の事実だと思いますが、探してもあまり見当たらなかったのでまとめておきます。 楕円ElGamal暗号 まずは『現代暗号の誕生と発展』(岡龍明)でも紹介されている、私が知っていた方式を、記号を変えて紹介します。用語は楕円ElGamal暗号も参照してください。 記号の定義 0 以上 r 以下の整数の集合を [0, r], そこからランダムに整数 x を選ぶことを x ← [0, r] と書くことにします。 G を楕円曲線の点 P を生成元とする素数位数 r の巡回群 \lan

    楕円ElGamal暗号の変種とその安全性
  • イラストで正しく理解するTLS 1.3の暗号技術

    イラストで正しく理解するTLS 1.3の暗号技術 初めに ここではTLS 1.3(以下TLSと略記)で使われている暗号技術を解説します。 主眼はTLSのプロトコルではなく、「暗号技術」の用語の挙動(何を入力して何を出力するのか)と目的の理解です。 実際にどのような方式なのかといった、より詳しい説明は拙著『図解即戦力 暗号と認証のしくみと理論がこれ1冊でしっかりわかる教科書』(暗認)や『暗認』の内容を紹介したスライドや動画などの資料集をごらんください。 なお表題の「イラストで」は数式を使わないという程度の意味です。 TLSで守りたいもの TLSはコンピュータ同士が安全に通信するための規格です。 主に人がブラウザを介して「https://」で始まるWebサイトにアクセスするときに利用されます。 安全に通信するためには、通信内容が盗聴されても情報が漏れない機密性が必要です。 それから通信が改

    イラストで正しく理解するTLS 1.3の暗号技術
    Nyoho
    Nyoho 2023/02/27
  • RSA署名を正しく理解する

    初めに 「署名とはメッセージのハッシュ値を秘密鍵で暗号化したものであり、検証は署名を公開鍵で復号してハッシュ値と等しいかを確認することである」という説明(×)をよく見かけます。 正しい署名の定義と実際のRSA署名がどのようなものであり、上記説明(×)がなぜよくないのかを理解しましょう。 署名の定義 署名の解説は署名の概要でも解説しましたが、再掲します。 署名(方式)は鍵生成(KeyGen)、署名(Sign)、検証(Verify)の3個のアルゴリズムからなります。 KeyGenではアリスが署名鍵sと検証鍵Sを生成します。署名鍵sは自分だけの秘密の値なので秘密鍵、検証鍵Sは他人に渡して使ってもらう鍵なので公開鍵ともいいます。 Signは署名したいデータmに対して署名鍵sを使って署名と呼ばれるデータσを作ります。 データmと署名σのペアを他人(ボブ)に渡します。 Verifyはボブが検証鍵Sを使

    RSA署名を正しく理解する
    Nyoho
    Nyoho 2022/12/14
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