新刊著者訪問 第43回 The International Law of Sovereign Debt Dispute Settlement 著者:中島 啓 Cambridge University Press, September 2022 このページでは、社研の研究活動の紹介を目的として、社研所員の最近の著作についてインタビューを行っています。 第43回は、中島 啓『The International Law of Sovereign Debt Dispute Settlement』(September 2022, Cambridge University Press) をご紹介します。 ――まず、この本が出版された経緯について教えてください。 本書は、筆者がスイス(ジュネーブ国際開発高等研究所)留学中に執筆し提出した博士論文をもとに加筆修正したものです。2013年から本主題に関する研
中公新書から出ていた「御成敗式目」が非常に面白い新書でかんたんしました。 御成敗式目成立前後の政治状況、 御成敗式目成立の前提となる荘園史、 御成敗式目の具体的な内容と運用、 そして御成敗式目が武士以外の世界や後の世でどのように受容されていったか等、 内容が多岐にわたりますので知的好奇心があちこち刺激されるのが楽しいですし、中世史好きの方だけではなくて法制史や女性史や室町時代以降の歴史が好きな方にもすすめたいですね。 中世史に興味のある方は、同じ中公新書から出ている「荘園」と一緒に読むといいんじゃないかと思います。 www.chuko.co.jp 御成敗式目は一二三二年、鎌倉幕府三代執権の北条泰時により制定された。源頼朝以来の先例や武士社会の道理(慣習や道徳)に基づくとされ、初の武家法として名高い。主たる対象は御家人だったが、その影響力はやがて全国規模に拡大する。画期的と評されるこの法はど
初版刊行30年、芦部生誕100年に贈る── 憲法の学習は、「芦部憲法」を読むことから始まる。憲法的思考のエッセンスを簡潔かつ平易に語り、世代を超えて読み継がれてきた名著を、1993年の初版刊行から30年、芦部信喜生誕100年を記念して4年半ぶりに改訂。法改正、新立法、新判例、新論点等、この間に生じた憲法変動を反映させた第八版としてここに刊行する。 『憲法 第八版』 芦部信喜 著 高橋和之 補訂 2023年9月8日発売 A5上製 496頁 定価:本体3,400円+税 ISBN:978-4-00-061607-2 今年は芦部先生の生誕100年に当たる。この記念すべき年に本書補訂第八版を読者にお届けできることを喜んでいる。本書は日本国憲法の骨格をなす憲法的思考のエッセンスを簡潔かつ平易に語り、広汎な読者を獲得してきた。日本国憲法は施行七五年を超え、いまや国民の間に強固な定着をみせているが、憲法現
◆グローバルな民法の展開において、日本民法学の学理的発展状況を示す、体系書シリーズー第4弾『債権総論』が待望の登場!◆ 民法(債権法)改正の問題点を精緻に分析し、今後の進むべき方向性を提示。グローバルな民法の展開において、日本民法学の学理的発展状況を示す、待望の体系書。判例・学説の分析・検討、比較法的考察、立法趣旨への言及など、民法学の本質的理解を図る。広範な場面で有用な、研究者、実務家など幅広い読者のニーズに応える。 『債権総論(民法大系(4))』 石田 穣 著 【目 次】 ・はしがき ◆第一章 序 論 第一節 序 一 債権の概念/二 債権関係/三 債権の法的性質/四 債権法の法源 第二節 債権者の権限 一 原則/二 例外/三 自然債務/四 債務と責任 第三節 債務者の義務 一 序/二 積極的給付義務、消極的給付義務/三 第一次給付義務、第二次給付義務/四 主たる給付義務、従たる給付義
戦後日本の学知と想像力――〈政治学を読み破った〉先に 前田亮介編 ISBN:978-4-910590-03-5、四六判並製、448頁、本体価格3,200円、2022年刊 東京大学駒場「御厨ゼミ」に参加した経歴を持つ17名の若手研究者が多彩に論じ合う! 政治学・歴史学・法史学・哲学・文学・社会学・物理学……。 「本書は、戦後日本における学知と想像力が「政治」をはじめとする人間世界の秩序をどのように構想し、方向づけたのか、それぞれの多様な展開のありように光をあてることを課題としている」(「序」より) 【編者・執筆者】 前田 亮介(まえだ・りょうすけ)*編者 1985年生まれ。北海道大学大学院法学研究科准教授 越智 秀明(おち・ひであき)1990年生まれ。國學院大學兼任講師 藤川 直樹(ふじかわ・なおき)1987年生まれ。神戸学院大学法学部准教授 村木 数鷹(むらき・かずたか)1994年生まれ。
なぜ日本に人権思想は根付かないのか? 欧米と日本の人権理解の相違点はどこにあるのか? 日本国憲法第97条に謳われる「基本的人権」のルーツと受容の歴史を辿り、日本人が「人権思想」を理解できない問題点を浮き彫りにする。 「人権は、どのような土壌で生まれ、どんな戦いを成分として成長してきたのか? なぜキリスト教が関係し、日本国憲法にも影響しているのか? にもかかわらず、どうして歴史に反動的な社会勢力が成長するのか? こうした疑問を少しずつ解きほぐしながら、人権法制化へと向かわせたエネルギーを明らかにし、『人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果』へと至った物語に案内したい。そうすることによって、キリスト教国ではない日本で、今後どのようにして人権の発展が可能となるか、その新しい道を発見することができるだろう」(本文より) 【目次】 まえがき 序論 人権思想と宗教的要素 第1節 はじめに 第2節 学者
「イスラーム国」がジハードを掲げて異教徒を征服したり、奴隷化したり、殺害したり、世界各地で不信仰者を制圧したりする際に、明示的にイスラーム法的根拠を掲げる。イスラーム法は、イスラーム世界が世界のかなりの部分で支配者側の宗教であり、政治・軍事的に優位で、異教徒を権利の制限の下で従えていた時代に定式化されたものなので、現代の国際秩序の中で「復興」しようとすると、多大な摩擦と混乱、そして戦乱と流血を伴うことにならざるをえない。 イスラーム法はコーランとハディースを典拠に導き出した規範だが、見よう見まねでコーランの断片を読んでみてもイスラーム法の正統な導き方は学べない。1400年の歴史の中で、歴代のイスラーム法学者が議論を重ねて到達したコンセンサスがイスラーム法学の有力解釈であって、それを素人がにわか勉強で覆すのは不可能であると謙虚に思い知った方がいい。 ジハード主義者が掲げる、政治と軍事に関する
出来上がりを見るまではいつも不安ですが、今年もポケットに入りますのでご安心ください。 https://t.co/De0eLPKfcl
日本社会にもしのびよる「分断」とリベラル勢力の影響力の相対的低下のなかで、そのあり方が問われる「護憲」や「抵抗の憲法学」。それらとしばしば等置される「戦後憲法学」は、実際には多様な内容を含んだものであるにもかかわらず、時の経過とともに外部から見えにくいものとなっていました。そこで本書は、「戦後憲法学」の複雑さ・多様さについて、歴史を振り返りつつ紹介。「戦後憲法学」の誕生と日本国憲法の「定着」の過程の検証、その中にあって「保守」憲法学を構築した人々、「東大憲法学」および「京大憲法学」の系譜と憲法学の理論化の流れ、そして9条論争における憲法学者たちの多様な主張など、多面的な考察から、〈これからの憲法学/憲法学者〉を考える糸口となる一冊です。 序 章 「戦後憲法学」とは何か〔出口雄一=鈴木敦〕 第I部 「戦後憲法学」の形成 第一章 「戦後憲法学」の誕生 ――「啓蒙」と「抵抗」〔出口雄一〕 第二章
国際法の誕生 ヨーロッパ国際法からの転換 [著]中井愛子 社会あるところ法あり。国家どうしが国際社会を形成するとき、国際社会に固有の法としての国際法は同時に成立している。人間社会が「場所」に規定された具体的秩序、いわば場序として成立する限り、国際社会にも最初は場所的限定があった。国際社会としての欧州が成立したのが、1648年のウェストファリア条約であり、かかる欧州公法が欧州列強の進出とともに地球大に拡大して、現在の「国際法」が成立した――という通念を根柢(こんてい)から覆すのが、本書の雄略である。 新大陸を〝発見〟したポルトガル・スペインが逸(いち)早く弱体化するとともに、フランス革命とナポレオンが欧州秩序を動揺させたことによって、ラテン・アメリカの旧スペイン領土は19世紀初頭には脱植民地化を果たした。独立運動の指導者ボリーバルは、南北アメリカを包括する米州公法の理想を掲げ、欧州秩序の再建
独立と自由を守るために築いた「秩序」の防波堤。集団安全保障、外交的庇護、武力行使の禁止……国際秩序のドクトリンは、西欧の支配に抗うためにラテンアメリカ諸国がつくったものだった。スポットライトを浴びなかった国際法の実質的起源を明らかにした瞠目の書。「西洋から発展した国際秩序」の常識がくつがえる。 中井 愛子(なかい あいこ) 大阪市立大学大学院法学研究科准教授(国際法)。中央大学法学部卒業。ブリュッセル自由大学欧州学研究所修了(DES)。パリ第1大学大学院博士課程中退。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、外務省経済局調査員、京都大学白眉センター・法学研究科特定助教を経て、2020年より現職。 主な著作に、共著書として、Guerrero, J. C., ed., Perspectivas multidisciplinarias sobre
法学教室連載を単行本化。社会生活において必要になる条約の重要性や身近な国内問題との関係性を知るために,個別の条約の仕組み(「目的・構造」「実施・運用」)と日本との関係(条約の「〔日本〕国内実施」)を解説することで,国際条約の理解を深める。 ※電子書籍配信中!*電子書籍版を見る* ◆法学教室の「Book Information」コーナーにおいて,編集担当者が本書を紹介!! →記事を読む 概論「国際条約の世界」 Part 01 国連憲章 1 国際連合憲章 Part 02 空間 2 国連海洋法条約 3 国際民間航空条約 4 宇宙関連諸条約 Part 03 人権 5 自由権規約 6 難民条約 7 国際労働機関(ILO)憲章 Part 04 刑事 8 国際刑事裁判所規程 9 テロ関連諸条約 10 国連腐敗防止条約 Part 05 経済 11 IMF協定 12 国際復興開発銀行(世界銀行)協定 13
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