Wollstonecraft, Mary, and Gary Kelly. Mary, and, the Wrongs of Woman. Oxford World's Classics. Rev. and corrected ed.: Oxford University Press, 2007. 『マライア、あるいは女性の虐待』は、『女性の権利の擁護』で名高いメアリ・ウルストンクラフトの最後の著作として書いていた小説。この作品を書いていた時期に、女児メアリーを出産したが産褥熱のために死亡したので、未完の草稿の形で残され、夫で思想家のゴドウィンが刊行したのが1798年である。この娘が、のちに詩人のP.B. シェリーと結婚してメアリー・シェリーとなり、『フランケンシュタイン』を執筆している。 ウルストンクラフトの小説は、フェミニズムの視点からの社会批判を、当時の精神医療の問題に適用したもので