外国為替市場でトルコの通貨リラの弱さが目立つ。11月23日には1ドル=13.5リラ近辺まで売られ最安値を更新。10月中旬から約27%下落した。昨年末は1ドル=7.4リラ前後の水準。年初からの値下がり率は同45%に達する。対円でもトルコリラ売りが先行。11月以降、1リラ=12円台から一時、同8.5円前後までリラ安円高が進んだ。 リラ売りが膨らんだ要因の一つはトルコの中央銀行への信頼が大きく揺らいでいることだ。「高金利がインフレを引き起こす」。経済学の常識を覆す持説を展開する同国のエルドアン大統領は自らの意にそぐわない総裁や金融政策委員会の委員らを次々と解任するなど、中銀への介入姿勢を強める。 足元ではインフレが高進。トルコ中銀の発表によると、10月の消費者物価は前年同月比19.89%の上昇。2019年1月以来のインフレ率20%超えが近づく。「公表数字自体が実態よりも低め」との見方も少なくない