2024年05月08日16:34 カテゴリ本 カトリック教会が「開かれた社会」を生んだ ヨーロッパが開かれた社会で、それが近代化の原動力だったという話はよくあるが、その原因ははっきりしない。この言葉を初めて使ったベルクソンも、古代にはヨーロッパも「閉じた社会」だったという。それが開かれた社会になった分岐点は何か。 これはヨーロッパがアジアに対して優位になったのはなぜかという大分岐の問題として多くの仮説が提案されてきた。そのほとんどは16世紀以降の資本主義や植民地支配や宗教改革に関連するものだが、本書はそれとはまったく異なる大胆な仮説を提唱する。 それはローマ・カトリック教会(西方教会)の決めた外婚制(イトコ婚を禁じる)がヨーロッパのWEIRD(Western, Educated, Industrialized, Rich and Democratic)な人々を生んだという仮説である。著者の