米国が南米ベネズエラに対する制裁を緩和してから2カ月もたたないうちに、ベネズエラ産の燃料油を積んだ大型タンカーの一団がアジアに到着し、域内のエネルギー市場を揺るがす脅威となっている。 ブルームバーグの船舶追跡データなどによると、1隻で最大200万バレル運搬可能な大型原油タンカー(VLCC)3隻が、11月に東南アジアでベネズエラ産燃料油の積み降ろしを行った。 米政府が2019年にベネズエラに制裁を科した後、中国の独立系精製業者がベネズエラ産原油と燃料油の主な買い手だった。しかし、現在は制裁緩和を受け、インドを中心に関心が拡大している。船舶の動力源として使用される燃料油はベネズエラで精製されるが、一般的にはアジアでビチューメン(抽出性有機物)に加工されるか、低品質のディーゼル油の原料として使用される。