<習近平の言いなりになるのか、したたかな生き残り策を見いだせるのか> フィリピンのマルコス大統領は1月3日から初めて中国を公式訪問し、習近平国家主席との首脳会談に臨み、5日にマニラに戻った。 帰国後マルコス大統領は今回の訪問、会談について「心のこもった実り多い会談だった」と述べて肯定的に評価した。しかし国会の野党議員などからは「新鮮味に欠ける訪問だった」と批判的な見方が出ている。 中国との間で懸案事項であった南シナ海を巡る領有権問題、中国船舶のフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内での航行や集結などに関して、訪中前のマルコス大統領は中国批判を強めていた。ところが、首脳会談では習近平国家主席に強い姿勢を直接示すことはなく、2国間のホットライン設置や友好的対話による協議の継続、海洋資源の開発再開などでの合意に留まったからである。 フィリピンにとって中国は最大の貿易相手国である。フィリピン大統領