いま中国全土で大ヒットしているテレビドラマがある。タイトルは『繁花』(ファンホア、Blossoms Shanghai)だ。2013年に出版された同名小説が原作で、2020年から香港の映画監督、王家衛(ウォン・カーウァイ)が撮影を開始、約3年の歳月をかけて完成させた。予算は日本円にして約60億円という超大作。 2023年12月末からネットの動画配信サービスと中国中央テレビ(CCTV)で放送が開始されたが、放送開始直後から高視聴率をキープし、現在も異例の大ヒット中。中国人のSNSはこの話題で持ち切りだ。 経済成長した時代が懐かしい? ドラマ『繁花』の舞台は主に80年代後半から90年代の上海。上海に住むある青年(阿宝=アーバオ、俳優は胡歌)が、一攫千金を夢見てある老人の指南を受け、借金をして、初めて株を買うところからストーリーが始まる。その後、成功や失敗を繰り返し、ときには陰謀などに巻き込まれな