米連邦預金保険公社(FDIC)が公的管理下に置き、JPモルガン・チェースによる買収が決まった米地銀ファースト・リパブリック・バンクの破滅の種は、シリコンバレーのジャンボモーゲージ(大型不動産ローン)でまかれていた。富裕層の個人向けに多額の融資を実行する独自の戦略が見事に破綻した。 1980年代初め、サンフランシスコ・バンコープを当時経営していたファースト・リパブリックのジェームズ・ハーバート会長は、新たなビジネスに参入したいと望んでいた。ベイエリアの高額所得者が、高価な不動産購入のため並外れて大型の融資供与を求め、ハーバート氏のところにやって来た。