そっと銀紙を開くと、真っ黒な物体があらわれた。変わった匂いが鼻を突く。だまりこむ私たち。 ……なんでこんなことになったんだっけ。 9月末のある夕方。私は人んちの庭先に座って、バーベキューセットの火をながめていた。都内某所、お庭のある一戸建て。古い木造日本家屋で、おばあちゃん家のような、ノスタルジックなにおいがする。庭の木には、ほんのり赤いザクロがなっていた。 見上げると、空にはねぐらに急ぐカラスが大量に飛んでいて、ギョーとかガーとかボゲーとか叫んでいた。 イモ掘りざせつ 今月のデイリーポータルのテーマは「狩」である。 私は最初「イモを掘りたい」と考えた。思えば幼稚園以来、掘っていない。「あの、土をさわる感覚が味わいたい」「そんで落ち葉を集めて、焼きイモがつくりたい」「焼きイモだけだとつまらないので、銀紙にいろんなものを巻いて、『闇焼き』にしたい」と思ったのだ。 「じゃあ、そうしましょう」と