関西電力の大飯原子力発電所3号機が再稼働し、42年ぶりの「原発ゼロ」という異常事態は、とりあえず解消された。だが、電力の安定供給態勢の確立には他の原発の再稼働が欠かせない。 政府は9月に発足する原子力規制委員会に新たな安全基準の策定を任せる意向だが、それまでの間は現在の原子力安全委員会がしっかりと業務を継続すべきだ。原子力行政に空白は許されない。 東京電力の福島第1原発事故に伴う全原発停止から2カ月にして初の再稼働となる大飯3号機は、5日に送電を開始する。9日にも本格運転に入り、今月下旬には4号機も動き出す予定だ。 だが、これら2基を加えても、関西圏をはじめとした電力不足はいぜん深刻だ。関電管内の電力需給が綱渡り状態にあることは心しておかねばならない。 安定した電力供給には、最低でも常時、3%程度の供給余力が必要とされる。大飯3、4号機がフル稼働に移行しても余力は1%未満にとどまる。 一方