発売後、話題を呼んだ2021年11月号の『りぼん』(集英社)のとじこみ別冊「生理カンペキBOOK」。そんな「生理カンペキBOOK」が、2022年6月27日から集英社『りぼん』の公式サイトで無料で誰でも見られるよう公開されている。
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モテないけど生きてます 苦悩する男たちの当事者研究 作者:ぼくらの非モテ研究会青弓社Amazon メンズリブ実践の仲間で交流のある西井開さんが本を出版したので、どういった魅力のある本なのか紹介したい。 現代メンズリブの実践を包括的に学べる良書 『モテないけど生きてます』はおそらくマーケティングを意識したタイトルで、中身は西井さんの主催する「ぼくらの非モテ研究会(非モテ研)」の活動の詳細と、非モテ研の実践のベースにあるメンズリブ(メンズリブ研究会)や当事者研究(べてるの家)、薬物依存者支援(三重ダルク)やDV加害者支援(メンズサポートルーム大阪)の様々な実践や手法を専門的な観点で紹介する手堅い作りになっている。実のところ非モテ研はいわゆる「非モテ」についての団体というよりは標準的なメンズリブ団体としての側面が強いので、現代メンズリブの実践に関心のある読者にとって興味深い本になっていると思う。
表紙はピカソ、「ピロメラを犯すテレウス」だ。テレウスは、義理の妹のピロメラを人気のない場所へ連れ込み、レイプする。終わった後、ピロメラは、テレウスに告げる。 「もう恥じてなどいない、私はこのことを広言する。機会があれば、人前で誰にでも言うつもりです。天もそれを聞くでしょう、もし天に神がおいでなら神も私の言うことを聞かれるでしょう」 告発を恐れたテレウスは、ピロメラの舌を切り、置き去りにする。オウィディウスの『変身物語』の一幕だ[wikipedia:ピロメーラー]。このように、女を黙らせ、女の言葉を軽んじ、権力から遠ざけようとする動きは、古来からあったという。そのメカニズムを告発したのが、『舌を抜かれる女たち』になる。 著者はケンブリッジ大教授のメアリー・ビアード、元は講演録で、昨今の MeToo 運動を受けて大幅に加筆したもの。古代ギリシャ・ローマからの文芸や美術をひも解きながら、女性の声
著者の藤森かよこさんは、リバタリアンのアイン・ランドの研究者なので、彼女の思想を藤森さんの生き方に重ね、現代日本という文脈に合わせた一般向けの書籍だろうなと期待して読んだ。が、半分くらいまではアイン・ランドは出てこない。出てきたときはさすが研究者だなと思うようなとんでもない逸話が出てきてびっくりした。 というわけで、前半は、概ね、知的な65歳の現代女性で、いわゆるリベラル的な圏内の呪縛のない、言い方は悪いが、現実的なおばちゃんが、実際には8割がたを占めるであろう馬鹿ブス貧乏女性に、本当に愛を込めて書かれた教訓本である。現実と彼女の人生に裏付けられているので説得力がある。その分、通俗的だが、そうした通俗性を捨象すればフェミニストの上野千鶴子さんとよく似たタイプのフェミニズムの入門書でもある。特にそうした面では、レイプ後の具体的な対応についてかなり踏み込んで書かれていて、若い女性は読んでおくほ
高校の時の友人E君はどこか遊びに行くと、すぐ通りすがりの女の人を査定する人だった。 街を歩いていても、電車に乗っていても、どこか店に入っても、すぐ通りがかった女の人や女の子を見ては 「お、かわいい」「くーいいオンナだねえ」と口にした。 「今の子かわいくない?」「ああいうお姉ちゃんとどう?」みたいに同意を求めてくることも多かったので、そのたびに「あー…そうね」とか生返事をしてると「なんだよノリ悪いなあ。ホモなんじゃねえの?」と口にした。 アイドルとか芸能人ならともかく、通りがかりの女の人の容姿を公共の場であれこれ口にすることに抵抗があった。 そもそも私たちは正真正銘の童貞少年であり、人のことをとやかく言う以前に自分の容姿がよいとも思えなかった。もっとも容姿がよいからって言っていいものでもないが。 E君は一緒に遊ぶ分には楽しい人間だったが、街中を歩く容姿のいい女の人をハンターのように探す姿勢と
【日本児童文学学会賞特別賞(第37回)】欧米には見られない独特なジャンルである「少女小説」。明治末期から現在までの少女小説の物語構造を読み解き、「少女像」や「少年/少女の… 「少女小説」の生成―ジェンダー・ポリティクスの世紀 [著] 久米依子 近代日本の「少女小説」。このジャンルの独自性は、日本の近代化と文化表象の特異性を裏書きしている。少女小説が登場したのは、明治30年代のこと。その系譜は近年のコバルト文庫に至るまで、百年にもわたる歴史をもつ。だがその内容や領域に一貫性はなく、ときに相反する特性をも包摂する。これは、いわゆる欧米の「家庭小説」などとも一線を画すと筆者は指摘する。 明治後期、いわゆる少女向け読みものとしての少女小説が誕生。だが同時期書かれた田山花袋「少女病」等、青年と若い娘の恋愛小説もまた、少女小説と呼ばれていた。無垢(むく)なる性愛対象という「少女」は、後発近代化国・日本
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