新刊『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』に書いたが、59歳の時に遺体で発見された母のアパートは、壁一面にギャル服がかかっていた。 その部屋には食べ物が何もなく、キッチンには大量のビールと白髪染めの箱だけが残されていた。 私がコナン君なら「白髪染めの中に毒薬を混ぜられた?」と推理するところだが、母の死因は拒食症による衰弱と心臓発作だった。 母の手帳には「目指せ32キロ」「2週間に一度は白髪染め」と書かれていて、そのヘタクソな丸文字を見て胸が痛んだ。 しわしわのミイラみたいな状態で「痩せなきゃ」「白髪を染めなきゃ」と思っていたのか。“女の価値は美しさ”という呪いにかかったまま死んでしまったのか、可哀想に。