電車とホームの隙間に転落した乗客を救うため、居合わせた周囲の乗客が協力して電車を押して傾け、隙間を広げる。こうした善意の「救出劇」が、さいたま市のJR南浦和駅を皮切りに、名古屋と東京で相次いだ。だが、専門家からは「水を差すようだが、車両を押すと揺れが増幅するため、実は危険な行為」との指摘も出ている。善意の行動に潜む危険とは-。善意の行動が… 発端は、さいたま市のJR南浦和駅で7月にあった救出劇だった。電車とホームの隙間に挟まった女性客を救うため、居合わせた乗客ら約40人が協力して車体を押し、隙間を広げて助け出した。この救出劇は国内外で報道され、話題になった。 その後、名古屋市の名鉄名古屋駅でも9月、約20人の乗客が協力し挟まれた男性を同様に救出。先月26日には、東京のJR渋谷駅で線路に飛び降りた女性を、居合わせた乗客十数人がホームに一列に並んで電車を押して傾け、駅員が助け出した。 しかし、