【中日新聞】<社説> ■自由な言葉あってこそ メディアと政治を考える 政治家の発言をメディアが報じることで現実の政治が動く。そんな事例が相次いでいる。分かりやすい結末を追い求める落とし穴にはまっていないか。 鉢呂吉雄前経済産業相が一連の「問題発言」の責任をとる形で大臣を辞任したのは、就任わずか九日目だった。……… いずれの発言も大臣として不適切な発言として批判を浴びて、当初は説明を尽くす考えだったが、放射能発言が報じられた十日夜になって結局、辞任を表明した。 たしかにテレビカメラも入った会見で「死の町」という表現は適切とは言えない。ただ、絶対に許されないほど不穏当だったかと言えば、議論の余地は残る。 後に明らかになったことだが、細川律夫前厚生労働相も五月の参院行政監視委員会で民主党議員の質問に答えて「町全体が本当に死の町のような印象を受けました」と語っている。 本紙を含めて新聞も「ゴー