福岡拘置所(福岡市)で、氏名や生年月日を黙秘する男が所内で日用品などを購入できずにいる。県弁護士会の人権擁護委員会は19日、改善を求める勧告を出した。極めて異例の勧告という。勧告に拘束力はなく、拘置所側は「取り扱いに不当な点はない」として対応は変えない方針だ。 同委員会や拘置所によると、拘置所の収容者は日用品や飲食物、週刊誌を購入する際、マークシートに生まれた月日を記入する必要がある。間違って代金を徴収しないよう誰が何を購入したか管理するためだが、昨年10月、男から委員会に「氏名と生年月日を黙秘しており、黙秘権の侵害に当たる」と人権侵犯救済の申し立てがあった。 委員会は調査の上、「黙秘権の侵害に当たるかどうかは別にしても、生まれた月日も個人情報として法的に保護されるべきだ」と指摘。月日の代わりに4ケタの暗証番号を採用するよう求めた。 拘置所側は「記入させるのは生年月日の一部のみで、物