しかし、武器輸出の問題は、政府によるコントロールがしやすい上記のような完成品よりも、コントロールが難しい製品にあると言えます。例えば、武器とそうでないものの区別が難しい輸出品がそれです。自動車がその代表で、チャド内戦は政府軍と反政府軍双方がトヨタ製ピックアップトラックに武装を施して戦闘をしている様子が報道されたために「トヨタ戦争」と呼ばれていましたし、アルカイダの指導者だったウサマ・ビン・ラディンはランドクルーザーで移動し、それを捜索する側の米軍もハイラックスの北米仕様であるトヨタ・タコマを使っていました。これらの乗用車やトラックは、軍用と民間用に差がほぼ無く、現在も世界各国で日本製自動車が軍用として使われています。紛争地への小型武器輸出が国際的な問題になっていますが、しばしば紛争地で主力兵器として日本製車両が使われている事実は、あまり好ましいことではありません。 このように、元々武器との