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少し前、はてな匿名ダイアリーに書き込まれた「保育園落ちた日本死ね」という文章が話題になった。 anond.hatelabo.jp この匿名文章は国会で言及され、一部議員の対応がまずかったことも手伝って政治に影響を与える雰囲気をつくりだしてしまった。もちろん待機児童問題は切実だが、匿名文章を着火点としてネット世論が沸騰し、こうやって国会答弁に拾い上げられて影響力を持ってしまうプロセスはいかがなものなのか。 世論が国政に影響を与えること自体、あっても構わない。しかし、世論と国政とを結びつけるプロセスがショートカット化し、「ネット上の匿名文章をシェアやリツイートで拡散した代物」が世論の面構えをして国政に影響を与えるさまは、熱しやすく冷めやすいネット世論の性質を考慮すると気持ちの良いものではない。 オリンピックのロゴ問題の時にも、私は「インターネットの暗い情念が世論になってしまうのが心配」と書いた
戦後の日本社会は、地方から都市へと人材が流動化することによって、新たな活力が生まれ、発展の原動力となってきた。人に気付かれない「匿名性」が都市に担保されることで、多様な人材がしがらみなく結びつくことができたのだ。ただ、最近はソーシャルメディアの普及で、つながりが強化され、「匿名」で自由に動きまわることが難しくなっている。ソーシャル監視網とも言える状況の中で、都市の創造性を維持することができるのだろうか。
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