外国人観光客に沸く日本の観光業界だが、日本人の若い旅人が減っているという。「深夜特急」に代表される若者のベストセラー旅行記も久しく登場していない。若者の「宿の定番」だったユースホステルが姿を消しつつある一方、かつてのバックパッカーが「ゲストハウス」と呼ばれる新しいタイプの宿を開き、若者を引き付けている。若者の旅への意識が変わりつつあると、旅行作家の荒木さんは指摘する。 「爆買い」「民泊」……。いま旅行者といえば、日本を訪れる外国人、いわゆる「インバウンド」の話題がメディアをにぎわせている。2015年の訪日外国人は2000万人の大台にあと一歩と迫り、前年を4割も上回る。有名観光地には外国人があふれ、このままでは宿泊施設不足の状態になるのは確実。受け入れる観光業界は対応に大わらわだ。 その一方で、日本から海外に出て行く旅行者たち(旅行業界では「アウトバウンド」と呼ばれる)の方は、インバウンドほ