#1 #3 バブル崩壊に揺れる砂上の楼閣 「チャイナリスク」が世界の金融市場でささやかれて久しい。チャイナリスクとは、中国特有の政治・経済・社会的要因によって、中国を対象とした投資や商取引を行う外国企業の経済活動が晒される危険のことだ。その有力な根拠に挙げられたのが、「不動産バブル崩壊説」である。 中国の不動産相場は、2013年から下降しはじめ、2014年初めから翌年末にかけて暴落、その後ふらついたが、2018年から2020年末にかけて上昇しつづけた。そして、2021年初めからは減速し、同年9月には前年比マイナスに落ち込み、2023年2月までマイナスが続いた。下図は、全国平均の住宅相場の前年同期比増減率である。 2014〜2015年当時の不動産価格の低迷は中国全土に広がっており、地方のいくつかの中小都市では高層マンション群がガラ空きで、ゴーストタウン(鬼城)化した。中国四川省に生まれて20