渋谷に誕生した高層ビル屋上の庭園で自撮りする少女。マスクをしているのに手で顔を隠した(9月7日)=写真集より 2021年が暮れていく。友人でもある写真家の初沢亜利さん(48)と2年分の忘年会をやろうと思った。新型コロナウイルスに翻弄(ほんろう)される首都・東京をカメラで追い続け、写真集「東京二〇二〇、二〇二一。」(徳間書店)を出版したばかりの彼に聞いてみたかったのだ。コロナ禍で東京は変わったか、と。 「ええっ、こんなところ、東京にあったんですね」。会うなり初沢さん、おもしろがってスマホで撮影しだした。ここは東京・荻窪の路地裏にある焼き鳥屋、しばらくご無沙汰していたら、なんと店先にホームごたつを出しているではないか。飲食店はどこも苦しいが、これなら換気も万全、なにより飲んべえ心をぽかぽかさせてくれる大将の知恵がうれしい。どてらをはおり、焼酎のお湯割りで五臓六腑(ごぞうろっぷ)を温め、写真集を