「近代」は人類に人権をもたらし、産業革命で世界を発展し続けた。しかし「現代」は資本主義や民主主義に行き詰まりが見え、テクノロジーは人間性を奪う脅威として敵対視さえされている。ここから、どんな未来が描けるのか。その一つのルートが「デジタルネイチャー」、計数機群(コンピュータ)が自然と見分けがつかないほど発達し、人類を包み込む世界だ。本書「デジタルネイチャー」はそのマニフェストと言える。 デジタルネイチャーで、人類はクジラになる。汎神化したコンピュータ世界の中で個別的、超言語的なコミュニケーションが生まれる。想像もつかないけれど胸が踊る、不思議な感覚をくれる未来地図だ。 著者はメディアアーティストであり起業家であり研究者の落合陽一さん。前著「魔法の世紀」や「日本再興戦略」に比べると、平易さよりも包括性が際立つ一冊で、読みこなすには苦労する。しかし、断片をとらえるだけでも、読むべき価値がある一冊
イェール大学、身体から切り離された脳を36時間”生かす”ことに成功2018.04.27 14:00145,642 塚本 紺 マッド・サイエンスの領域ですよ... イェール大学の神経科学者であるNenad Sestanが率いるチームが行なった実験が話題になっています。それは豚の頭部を身体から切り離し、外部の”維持装置”と接続することで脳に36時間、正常な活動を続けさせることに成功したというものです。 Netflix(ネットフリックス)のオリジナルドラマ『オルタード・カーボン』について、「意識をダウンロードするなんてできるの?」と専門家たちに聞いたところ「不可能/難しい」という回答が返ってきたのも記憶に新しいです。しかし、今回の実験が示唆しているのは「もしかしたら人間の脳を生きたまま保存できるようになるかもしれない」という事実です。そうするとSF好きとしては「脳の...移植...」なんて妄想も
不老不死が来る日を目指し、大量のサプリメントを飲んで健康管理しているといわれるカーツワイル MIT AGI/YOUTUBE <人工知能の権威でシンギュラリティの提唱者、天才・カーツワイルの最新「不老不死」予測> AI新聞から転載 レイ・カーツワイル氏が、人類はいずれ不老不死になるというような主張をしていたことは知っていたが、最近の講演の中で同氏が、あと10年でそういうような状態になると語っていたので、詳しく見てみることにした。 この講演は、同氏がマサチューセッツ工科大学で行ったものを同大学がYouTube上で2月14日に公開したもの。同氏は今後の人類の寿命について次のように語っている。 Applying this to health and medicine, this will get into high gear. We're going to really see us break
2018年02月02日10:00 カテゴリ経営社会一般 アマゾンレジ無しスーパー開店が引き起こす衝撃 アマゾンがシアトルにレジ無しスーパーをついに開店させました。画像を見ている限り、買い物客はアマゾンスーパーのアプリを事前にダウンロードし、アクティベートさせておけばあとは店内に入り、欲しいものを自分のカバンに詰め込み、そのまますっと店を出る、という仕組みです。これでは万引き犯人も真っ青です。 スーパーではここ数年、無人レジが増えてきました。自分でバーコードを介して清算し、袋詰めをして支払いをして帰る、というものです。私も初めのころは物珍しさもありそれをやっていたのですが、スーパーでは買うアイテムが多いと面倒だということに気が付きました。例えばカナダでは野菜は目方売りの上に商品コードのシールは貼っていないので画面から商品コードを探し出さねばなりません。あるいは何らかの拍子にレジ機能がフリーズ
スマホを使っていると必ず目にする3Gや4Gという言葉。これは通信規格のことで、“G”はGeneration(世代)を意味しています。 さて問題。 これが「5G」になったらどうなるでしょう?たんに通信速度が上がって快適になるだけでなく、生活そのものが変わってしまうんです! たとえば、朝目覚める時間に最適な温度になるよう空調機器が動き、目覚ましのアラームが鳴るとカーテンが自動でオープン。お湯が沸き、炊きたてのご飯が準備完了に……。まるで執事が身の回りのことを世話してくれるかのように、至れり尽くせりな生活がテクノロジーによって浸透していくんです。 5G回線は、4G回線の10〜100倍以上の速度で、10倍以上の端末に同時接続が可能になります。PCやスマホといったデバイスよりも、IoTによって受けられる体験を大きく変えると言われています。すべての家電がセンサーによって遠隔で自動的に連動して動く、おう
『CRISPR(クリスパー)究極の遺伝子編集技術の発見』ジェニファー・ダウドナが作り出す、新しい科学者像 強力なテクノロジーにはイノベーションの機会が二度訪れる。まずは登場したとき、そして次に普及したとき。WEBなど、その最たるものだろう。 インターネットという技術の登場はたしかに大きな変化をもたらしたが、今振り返れば、スマホの普及によって「いつでも、どこでも、誰にでも」使えるようになったことも、同じように大きなインパクトを持つ出来事であった。 本書のテーマとなっている「CRISPR(クリスパー)」という技術も、同様の性質を持っていると言えるだろう。「CRISPR-Cas9」という遺伝子編集ツールを用いれば、ゲノムをまるでワープロで文章を編集するようなイメージで、簡単に書き換えることができるのだ。 たとえば科学者はCRISPRを用いて、遺伝子の塩基配列をたった一文字変えるだけで、シュワルツ
[書評] クリスパー CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見(ジェニファー・ダウドナ、サミュエル・スターンバーグ) 10月上旬に出版された『クリスパー CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見(ジェニファー・ダウドナ、サミュエル・スターンバーグ)』(参照)は日本の社会でどのくらい読まれただろうか。この間、ブログを事実上お休みしていたものの、気になる本は読んでいた。本書読後のある種の呆然とした感じは忘れられない。困ったことになったな、人類、と思ったのだ。それをいち読者としてどう表現したらいいものか、その困惑もあった。 どういうことか。言葉で説明しにくいものでもない。本書の帯にあるように、本書のテーマは「人類の未来を変える『技術』を開発した女性科学者の手記」ということで間違いない。基本は先端科学者の「手記」であり、手記としての醍醐味は十分にある。 困惑に関連するのは、「未来を変える」の部
今、世界のリーダーたちがこぞって手に取る本があります。 マーク・ザッカーバーグ氏(フェイスブック創業者) 「この世の謎を解き明かしてくれる知的冒険の書だ」 ビル・ゲイツ氏(マイクロソフト創業者) 「人類の未来が気になっているすべての人に薦めたい」 アメリカのオバマ大統領までもがこう述べています。 「私たちが驚くべき文明を築くことを可能にした核心が語られている」 その本とは『サピエンス全史』。世界48か国で200万部以上売れているという人類史の本です。人類250万年の歴史を斬新な視点で紐解いて、資本主義の限界論や未来の私たちがどうなるかまでをも提示する壮大なストーリーです。この本がなぜ現代の人々の心に響いているのか。その背景に迫ります。(経済部 木下健記者) ことし9月に日本でも発売となった人類史の本「サピエンス全史」。上下巻合わせて500ページを超える分厚い本です。タイトルからする
“始まり”の死 今日、アーロン・ウィンボーンが死ぬ。 そして、彼はようやく「第一段階」に入る。 3月のどんよりとした日曜の朝だった。米ペンシルベニア州のハリスバーグには、まだ春は到来していない。ウィンボーン家の庭は、ところどころ汚れた雪が残っていた。 47歳のアーロンは部屋で眠っていた。 かつては頑強だったその体はぴくりとも動かず、数ヵ月前から、ALS(筋萎縮性側索硬化症)のために全身不随の状態にあった。 部屋のブラインドは完全に下され、枕元のテーブルの上には、4本のろうそくが灯されている。 妻のグウェンと2人の幼い娘サビナとアシュリン、そして義理の姉妹がベッドの横でアーロンを見守っていた。これが家族と過ごす最後の時間だ。 そして医師も彼の「死」を待っている。 家の外では、デニス・コワルスキーが空色の小型トラックのなかで待機していた。トラックの荷台には、7kgの氷が入った袋が14袋も保管さ
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