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ブックマーク / courrier.jp (409)

  • 米紙が報じる「日本の“軍隊式教育”がもたらす社会秩序とその代償」 | ドキュメンタリー映画監督・山崎エマに聞く

    人の母と英国人の父を持つ山崎エマは、程よい距離感で日社会を見つめ、ドキュメンタリー映画として記録してきた。彼女がカメラを向けるのは、教室の掃除に励む小学生や血のにじむような練習に耐える高校球児といった教育現場だ。 そうした日特有の厳しいしつけや伝統が社会に秩序をもたらす一方、そこには代償もあることにスポットライトを当てる山崎に、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が話を聞いた。 人間ピラミッドの思い出 ドキュメンタリー映画監督の山崎エマ(34)には幼少期の忘れられない経験がある。自分は膝にひどい擦り傷を負い、同級生は骨折する羽目になった人間ピラミッドだ。 大阪の小学校で6年生のころ、毎年恒例の運動会で組み体操を披露するため、同級生らと何週間も前から7段の人間ピラミッドをつくる練習をした。小さな体から血も涙も流れたが、番で成功させた達成感は計り知れず、それは「私が粘り強い努力家だと自負で

    米紙が報じる「日本の“軍隊式教育”がもたらす社会秩序とその代償」 | ドキュメンタリー映画監督・山崎エマに聞く
  • イタリア南チロルは子育て天国だった! 高い出生率を維持する奇跡の街 | 潤沢な交付金に、あらゆる割引、いたるところに保育所

    アルプス山脈に囲まれた都市ボルツァーノの中心街にある市庁舎。ステファノ・バルド(38)は授乳休憩で早退をする。 「もちろん僕が授乳するわけじゃないんですけど」運輸行政を担当しているバルドは、と子供6人の写真を飾った執務室でこう話す。は新生児の世話で家にいる。親のどちらか一方が授乳休憩をとる権利は法律で認められているし、彼は子供たちのお迎えに行かなくてはならない。 「この制度はとても使い勝手がいいんです」 大家族は、イタリアでも次第に過去のものとなった。同国はヨーロッパで有数の低出生率の国であり、ジョルジャ・メローニ首相も教皇フランシスコも、「イタリア人は消滅の危機にある」と警告したほどだ。ところがその趨勢(すうせい)に最も抗っているのが南チロルと呼ばれるアルト・アディジェ地域(ボルツァーノ自治県)とその県都ボルツァーノでは、数十年以上出生率を維持し続けている。 その理由として専門家たち

    イタリア南チロルは子育て天国だった! 高い出生率を維持する奇跡の街 | 潤沢な交付金に、あらゆる割引、いたるところに保育所
  • マット・リドレー「未来を悲観して子供を持たない若者が心配だ」 | 「合理的楽観主義の第一人者」が語る

    英国の貴族であり、科学ジャーナリストとして多数の著書を出してきたマット・リドレー。「合理的楽観主義者」とされる彼は、必要以上に未来を悲観することはないと考えている。スペイン紙「エル・ムンド」が、コロナ禍を経た現在の情勢を踏まえて取材した。 悲惨に思える現在も「前向き」でいられるか マット・リドレーはその好奇心から、性の進化を研究し、さらにヒトゲノム、そして徳の起源も研究した。彼の一番人気の著書『繁栄──明日を切り拓くための人類10万年史』は、30ヵ国語に翻訳され、100万部を売り上げている。 書のなかでリドレーは、今世紀、私たちは物質的進歩、環境的進歩の両方を享受するだろうと述べた。長い時間をかけ、人々の相互交流と専門化が進むことにより、人類のあいだに集団的思考が形成され、結果として生活の質が向上するのだという。 だが、グローバリゼーションの評価は現在、書が出版された当時より悪い。人類

    マット・リドレー「未来を悲観して子供を持たない若者が心配だ」 | 「合理的楽観主義の第一人者」が語る
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2024/04/11
    “15世紀、欧州にコーヒーが伝わった際には、その飲用に猛烈な反対の声があがりました。健康に有害で危険な飲み物だと考えられたのです。教会から迫害され、多くの国で禁止されました。”
  • ニーアル・ファーガソン「歴史に学べば、AIに取るべき対応は見えてくる」 | 政治の力で規制をする意味はある

    4. 充分な計算能力を備えた汎用人工知能(AGI)は実現可能か? AGIとは、あらゆる認知タスクにおいて一般的な教育を受けた人間に匹敵することが可能な、仮想汎用アルゴリズムシステムである。これを作り上げることがアルトマンの目標であるが、それは達成可能なのだろうか。 この問いはつまるところ、人間の脳と競合するほどにまで、計算能力を速くできるかということである。現状、GPT4の変数は推定1兆個だが、それを100兆個くらいまで増やす必要があるかもしれない。そのためには非常に高い演算能力(AIの専門家は「compute」と言うだろう)が必要になる。 1999年、未来学者レイ・カーツワイルは、2029年までにAGIが発明されるだろうと予言した。より最近だと、2022年1月1日、予測者のプラットフォームであるMetaculusの加重平均は、2042年までに「弱いAGI」が人間の一般的知能の水準に到達で

    ニーアル・ファーガソン「歴史に学べば、AIに取るべき対応は見えてくる」 | 政治の力で規制をする意味はある
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2024/04/11
    “新技術への政治的抵抗に関しては、大衆とエリートが危機感を持った場合、成功するかもしれない。 その先例には、人間のクローン作成や遺伝子工学への反発が挙げられよう。”
  • バーバラ・ウォルターが警告「アメリカは21世紀版の内戦に向かっている」 | 内戦に陥りやすい2つの要素とは

    カリフォルニア大学サンディエゴ校の政治学教授バーバラ・ウォルターは、1月に上梓した『内戦はこうやって始まる』でアメリカが内戦に向かっていると警鐘を鳴らし、国内外で反響を呼んだ。世界各国の内戦を長年研究してきた彼女がそう断言する根拠と、アメリカ人さえ気づいていない危険な兆候を聞いた。 ──世界中の内戦と、それを引き起こす条件について研究されていますが、著書ではアメリカがそうした条件に危険なほど近づいていると、背筋が凍るような主張をしています。詳しく聞かせていただけますか。 内戦については多くのことがわかっています。どのように始まり、どのくらい続くのか、なぜ解決が難しいのか、どのように終わらせるのかといったことです。 1946年以降、200を超える大規模な武力紛争が発生しているため、そこから多くのことが見えてきたわけです。とりわけこの30年間、私も含めた専門家らは多くのデータを収集して分析し、

    バーバラ・ウォルターが警告「アメリカは21世紀版の内戦に向かっている」 | 内戦に陥りやすい2つの要素とは
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2024/03/27
    “イデオロギーではなく、民族や宗教、人種などに基づいて政治集団化するようになっていると、内戦に陥りやすい/アメリカのような強力な政府を倒す方法は、極右のバイブルとされる小説『ターナー日記』で紹介”
  • 国が衰退しているのは明らか─それでも日本人の「平和ボケ」はいまも健在 | どうしてそんなに無頓着?

    進む少子高齢化、成長しないどころか後退しはじめた経済、そして頼りにならない政府──そんな危機迫る状況にもかかわらず、なぜか日国民は落ち着いているようだ。その“不思議”を米紙「ニューヨーク・タイムズ」が解説する。 数十年間ほとんど成長をみなかった景気が、いまや後退段階に。減り続ける人口、昨年の出生数は過去最低。政治が硬直しているように思われるのは、事実上権力を握っているのが一党であり、どれほどスキャンダルまみれになろうと、不支持率が高まろうと、その状況に変わりがないからだ。 でも、ご心配なく。ここは日、悪い情報はすべて相対的なものだ。 まあ見てみよう。日みたいな現状ならば、社会的荒廃の兆候、たとえばゴミの散乱、路面の穴ぼこ、ピケライン(ストやデモの際に張る監視線)等々を想像するだろうが、それはまず見当たらない。安定ぶりとまとまりの良さはいまも驚くほどで、破滅が差し迫っている感じはほとん

    国が衰退しているのは明らか─それでも日本人の「平和ボケ」はいまも健在 | どうしてそんなに無頓着?
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2024/03/17
    “首相が次々と交代しようとも、彼らは所詮、置き換え可能な「現状維持の使者」「誰もが迫りくるものについてある程度はわかっていると思いますが、そのスピードがあまりにも緩慢なので、大々的な変革を唱道すること
  • 夫婦で「言い争う」ことは、そんなに悪いものなのだろうか? | 【モダン・ラブ】一つにまとまる手段

    筆者は夫としょっちゅう議論し、言い争っている。だが何かしらの関係を築くとき、たとえうるさいと言われようとも話し続けなければならないというのが、彼女の持論だ──それは私たちが暮らす「地球」について考えるときも。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 些細なことも「我慢」しない 私たちのような夫婦と一緒にいたがる人はそういない。つまり、いがみ合う夫婦だ。 エリックと私の会話は、基的にいつも前向きに始まる。 「去年と一昨年以外で、モンスーンがフラッグスタッフを避けて通ったのは何年だっけ?」 去年の夏のある日にそう話しかけると、彼は「2015年だよ」と言った。 「そんなはずはないよ」と答えた。「ちょうどボブとカレンは付き合いはじめたばかりだったもん。2012年だったと思う」

    夫婦で「言い争う」ことは、そんなに悪いものなのだろうか? | 【モダン・ラブ】一つにまとまる手段
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2024/03/12
    “誰かの物語が他者のそれよりも価値があるなんてことはなく、私たちはそれらすべてに耳を傾ける必要がある。たくさんの音を立てる必要が、私たちにはあるのだ。”
  • ロシア人が“専制君主”のほうがマシだと支持してしまう歴史的背景 | 世界の反ユダヤ主義を煽ったのはロシア

    ロシア人は「専制君主」のほうがマシだと考える ──ロシアでは、歴史上、政治的リベラリズムが根付くチャンスがまったくなかったのでしょうか。西欧化を進めたピョートル大帝でも、当時発達しはじめていた議会主義や自由拡大の流れを輸入しませんでした。 ロシア歴史を形作ってきたのは、専制支配の伝統です。その伝統を体現するのがイヴァン雷帝です。彼は「地上の神」とでもいえばいいのか、西欧の絶対君主すら圧倒する存在でした。想像を絶する暴力や残酷さを強いることもあり、叛乱を起こした都市ノヴゴロドは血の川にされました。彼の民兵は気晴らしに村を略奪できたほどです。 そんな君主は民衆に嫌われそうですが、そうでもありません。彼の死後、ロシアで「動乱の時代」が始まったからです。陰惨な後継者争いが始まり、大飢饉などのさまざまな災厄も重なりました。ロシアはポーランドに侵略されて弱体化したものの、民衆が奇跡的にポーランドを追

    ロシア人が“専制君主”のほうがマシだと支持してしまう歴史的背景 | 世界の反ユダヤ主義を煽ったのはロシア
  • プーチンは自分たちが「世界を救う存在」だと信じている | ウクライナ侵攻は人類のため?

    ロシアを特徴づける「膨張主義」 ──ロシア歴史が始まったのは1000年以上前です。かつては、現在のウクライナ周辺の公国の緩やかな連合でしたが、いまは1700万平方キロメートルもの広大な領土を持つ大国となっています。20世紀には領土が2200万平方キロメートルもありました。 ロシアの膨張主義を理解したいなら、まずは地図を見るべきです。ロシアの子供たちは地図を見ると、世界一大きな国であることを誇りに思う一方、不安にも駆られます。こんなに広大な領土はとても守りきれないのではないかと考えるのです。 ロシアでは、16世紀に領土を広げたイヴァン雷帝の時代から、「防衛的膨張主義」がよく見られます。同国には自分たちを守る山や海や大河がありません。だから領土を広げると、そこを守るために、さらにその先の土地も征服しなければならないと感じてしまうのです。 プーチンが2016年のロシア地理学協会のイベントで口に

    プーチンは自分たちが「世界を救う存在」だと信じている | ウクライナ侵攻は人類のため?
  • エマニュエル・トッド「いま私たちは西洋の敗北を目の当たりにしている」 | 西側諸国は「何も見えていない」

    西洋の凋落を証明する「3つの要因」 ──2023年に弊紙から受けたインタビュー「第三次世界大戦はもう始まっている」が、今回の新著を書くきっかけになったと伺っています。すでに西洋は敗北を喫したとのことですが、まだ戦争は終わっていませんよね。 戦争は終わっていません。ただ、ウクライナの勝利もありえるといった類の幻想を抱く西側諸国はなくなりました。このの執筆中は、それがまだそこまではっきり認識されていなかったのです。 昨年の夏の反転攻勢が失敗に終わり、米国をはじめとしたNATO諸国がウクライナに充分な量の兵器を供給できていなかった事態が露呈しました。いまでは米国防総省の見方も、私の見方と同じはずです。 西洋の敗北という現実に私の目が開かれたのは、次の三つの要因によるものでした。 第一の要因は、米国の産業力が劣弱だということです。米国のGDPにはでっちあげの部分があることが露わになりました。私は

    エマニュエル・トッド「いま私たちは西洋の敗北を目の当たりにしている」 | 西側諸国は「何も見えていない」
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2024/02/23
    “私たち西洋の生活は、低賃金で旧第三世界の男性や女性や子供を働かせて成り立っているわけですから、西洋の道徳規範に説得力はありません。”
  • 【解説】プーチン批判の急先鋒アレクセイ・ナワリヌイとは何者か? | 国内の支持者が直面する「途方もないためらい」

    ロシアでプーチン政権を鋭く批判してきた反体制派の指導者アレクセイ・ナワリヌイが6月4日、収容されている刑務所の懲罰房で47歳の誕生日を迎えた。その日、ロシア各地では、ナワリヌイの釈放を求める抗議活動があり、100人以上が当局に拘束された。 アレクセイ・ナワリヌイとは何者か? アレクセイ・ナワリヌイは、ロシア人の弁護士であり、反汚職の活動家にして政治家でもある。ロシア国内で最も傑出したプーチン批判者のひとりとして国際的に認識されている。2018年には、プーチンと争うべくロシア大統領選に出馬を表明したこともある。

    【解説】プーチン批判の急先鋒アレクセイ・ナワリヌイとは何者か? | 国内の支持者が直面する「途方もないためらい」
  • 「AIは世界を支配できない」と断言するSF作家テッド・チャンが恐れること | AIは「応用統計」に過ぎない…

    哲学的SF作家と称され、数々の作品が高い評価を受けているテッド・チャンは、ブラウン大学でコンピュータサイエンスを学んだあとに、SF作家に転じた経歴の持ち主だ。生成AIが世界の話題となるなか、AIを巡る彼の考え方に注目が集まっている。AIは世界を支配するのでは、との懸念を否定するチャンが、それよりも恐れることとは。 AIを別の言葉で表現すると? テッド・チャンにランチをご一緒しませんかと尋ねたところ、その返答は、彼の書く物語に似て簡潔かつ的確だった。 「AIの現状と、SFがそれにどう関与しているかについてなら、喜んでお話しします。でも、私の個人的な生活について話す気はありません。それでよろしければ、ランチをご一緒します」 私が興味があるのはチャンの私生活ではなく、彼の頭の中の世界だ。 この中国アメリカ人作家は、同世代のSF作家の間でも最も評価の高い作家のひとりで、30年余りで執筆したわずか

    「AIは世界を支配できない」と断言するSF作家テッド・チャンが恐れること | AIは「応用統計」に過ぎない…
  • ジョセフ・ナイ「米国はトランプ2期目を乗り越えられるだろう」 | 「いまよりもひどい時代はあった」

    クリントン政権で国防次官補として東アジア政策をリードした知日派であり、ハーバード大ケネディスクールでは学長も務めた国際政治学者のジョセフ・ナイ。11月に大統領選を控える米国の現状を、彼はどう評価しているのか。英紙「フィナンシャル・タイムズ」が聞いた。 ジョセフ・ナイは、国際関係学において影響力のある思想家の一人として、数十年にわたって活躍してきた。彼は「ソフトパワー」という用語の生みの親でもあり、国際政治学者のロバート・コヘインとともに、「国々が経済的な相互依存を強めることで、もはや軍事力は国家間の最も決定的な要因ではなくなる」と主張した。 だが、1月に出版された自身の回顧録『米国の世紀を生きて』(未邦訳)のなかで、ナイはこの国の不安定な現状を、「政治は周期的なものである」というごく単純な考え方で解説している。 「いま人々から『これほどひどい時代を見たことがあるか』と問われれば、私の答えは

    ジョセフ・ナイ「米国はトランプ2期目を乗り越えられるだろう」 | 「いまよりもひどい時代はあった」
  • 深まる分断が“政治SM愛好者”の性的興奮をより一層かき立てる | 「究極の服従体験」政治SMの世界

    「支配—服従」のファンタジー 性行動やジェンダーなどについての研究活動をおこなう米インディアナ大学「キンゼイ研究所」の研究員ジャスティン・レミラーは、2年間で4000人以上の米国人の性的ファンタジーを掘り下げ、2018年に『何をしてほしいか教えて』(未邦訳)を出版した。 レミラーによると、回答者のなかには、自身の支持する政党と対立する政治家にまつわる性的ファンタジーを話した者もいたそうで、その内容は「性的なイメージがある男性の政治家を中心としたものが多かった」という。 民主党支持者に関するファンタジーを抱く共和党支持者は、元米大統領のジョン・F・ケネディやビル・クリントンといった人物に欲情しており、一方で民主党支持者は共和党の元副大統領候補のサラ・ペイリンの名を挙げた。

    深まる分断が“政治SM愛好者”の性的興奮をより一層かき立てる | 「究極の服従体験」政治SMの世界
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2024/01/08
    “業界では、政治的に対立する者同士が交じり合い、皮肉なことに深入りすればするほど、反対側の意見により耳を傾けるようになると、SNS内のグループ「トランプ支持のご主人様・女王様 ✕ 愚かなリベラルの奴隷」”
  • 【解説】「トランプ候補者失格」訴訟の重さに専門家が注目する理由 | ある種の「歴史的な境界」になりうる

    争点と経緯 12月19日、米コロラド州最高裁判所はドナルド・トランプ前大統領の、コロラド州における大統領予備選挙への参加資格を剥奪する判決を下した。 合衆国憲法の修正第14条第3項では、「合衆国憲法を支持するという宣誓をして官職に就いた後に、米国に対する暴動や反乱に関与した者は、国または州の官職に就くことはできない」とされている。 原告は、これがトランプに適用できるとして訴訟を起こした。ただ、この条項はもともと南北戦争後に南軍の中心人物が官職に復帰するのを妨げるために制定されたものなので、今回のケースに鑑みると定義が曖昧で、専門家の間でも意見が分かれていた。 主な争点は、この「官職」に大統領も含まれるのかどうかということと、たとえそうである場合、この条項の発動には議会の承認などは必要ないのかということ、そしてそもそも、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件の責任がトランプにあるかどうか

    【解説】「トランプ候補者失格」訴訟の重さに専門家が注目する理由 | ある種の「歴史的な境界」になりうる
  • トランプが2期目で企む「復讐劇」と「独裁制」がヤバすぎる | そこには1期目を超える“悪夢”が…

    米国の2024年大統領選まで1年を切った。共和党はドナルド・トランプ前大統領が独走中で、すでに2期目へ向けて「恐ろしい計画」を練っているという。 2023年11月5日の朝、ドナルド・トランプの「大統領復活」を恐れている人々にとっておそらく今年最も憂なニュースが相次いで飛び込んできた。 午前5時、ニューヨーク・タイムズとシエナ・カレッジが実施した世論調査の結果が報じられた。勝敗の鍵を握るスイングステート(激戦州)6州のうち5州で、なんとトランプが現職のジョー・バイデン大統領をリードしていた。 そして午前6時には、その衝撃の結果が何を意味するのかを再認識させるニュースが伝えられた。トランプは2期目には司法省を支配して政治利用し、政敵への報復を企んでいるという暴露記事をワシントン・ポストが公開したのだ。 トランプは2期目では権力をさらに掌握して独裁色を強めるつもりだ──ワシントン・ポストをはじ

    トランプが2期目で企む「復讐劇」と「独裁制」がヤバすぎる | そこには1期目を超える“悪夢”が…
  • 『君たちはどう生きるか』は、宮﨑駿の全作品が放ってきた感情の極みだ | スペイン紙が「スタジオジブリ」の歩みを振り返る

    プロデューサーの鈴木敏夫は、『風の谷のナウシカ』(1984)のクリエイティブチームとはずっと繋がっていなくてはならないと理解していた。そして1985年、宮﨑と、もう1人の偉大なアニメの天才・高畑勲と共にスタジオジブリを設立した。この社名は、第一次世界大戦のイタリアの戦闘機パイロットたちが、サハラ砂漠に吹き付ける熱風から名付けたのではないかという伝説が飛び交っている。 米国人のスティーブン・アルパートは、スタジオジブリで働いた最初の「ガイジン」で、1996〜2011年まで国際販売の責任者を務めた。「ディズニー」の日支社で働いていたアルパートだが、複雑なジブリのすべてを理解することはできなかった。彼は自著『吾輩はガイジンである。──ジブリを世界に売った男』で、宮﨑の仕事の仕方を解説している。 「彼は『ストーリーボード』を描く。それらはジブリでは『絵コンテ』と呼ばれており、それがストーリーボー

    『君たちはどう生きるか』は、宮﨑駿の全作品が放ってきた感情の極みだ | スペイン紙が「スタジオジブリ」の歩みを振り返る
  • イスラエル・ハマス戦争を「Z世代のアメリカ」はどう見ているのか | 国際政治学者の三牧聖子氏に聞く

    新著『Z世代のアメリカ』で「アメリカのダブル・スタンダードを批判する若者たち」に光を当てた国際政治学者の三牧聖子氏に、米国の若者たちはいま起こっているイスラエルとハマスの戦争をどう見ているのか、話を聞いた。 パレスチナにより共感する米国のZ世代 この7月に出版した『Z世代のアメリカ』では、2023年3月にギャラップ社が米国で実施した世論調査を紹介しました。 イスラエル・パレスチナ問題をめぐってどちらにより共感するかという問いに対し、民主党支持者のなかでパレスチナに共感すると答えた人が、イスラエルに共感する人と回答した人を10ポイント以上も上回ったのです。過去20数年超、同じ世論調査を続けてきて初めてのことでした。 イスラエルが建国されて以来の米国との「特別な関係」を考えても、米国内で広く共有されてきた親イスラエル世論に照らしても、特筆すべき変化です。 1948年にユダヤ人国家としてイスラエ

    イスラエル・ハマス戦争を「Z世代のアメリカ」はどう見ているのか | 国際政治学者の三牧聖子氏に聞く
  • イスラエルの起源に迫る─それはロシア・ユダヤ人が作った国だった | 歴史はホロコースト前から始まっていた

    「イスラエル」とはどんな国だろうか。中東でよく戦争をしていて、小国だが強大な軍事力をもっている、と思う人もいるだろう。あるいは、長らく迫害されてきたユダヤ人がナチスによるホロコーストの末、ついに作り上げた国と考える人もいるかもしれない。 迫害されてきたかわいそうなユダヤ人が念願かなって作った国、しかしアラブ人(パレスチナ人)を迫害している攻撃的な国──こういった対極的なイメージは、いかにして生まれてきたのか。 この謎を読み解く『イスラエルの起源 ロシア・ユダヤ人が作った国』(鶴見太郎)の冒頭を抜粋する。

    イスラエルの起源に迫る─それはロシア・ユダヤ人が作った国だった | 歴史はホロコースト前から始まっていた
  • ジジェク「パレスチナ人への同情と反ユダヤ主義との戦いは両立できる」 | パレスチナとイスラエルの相似性とは

    ハマス・イスラエル紛争において、我々は「ハマスかイスラエル、どちらの強硬派につくか」という選択に囚われるべきではない。原理主義者に与することなく、解決に向けた道を探ることはできるのだと、哲学者スラヴォイ・ジジェクは主張する。 ハマスがイスラエルに対しておこなった暴虐は、「もし」も「しかし」もいっさいなく、無条件に非難されるべきである。 イスラエルの各市やキブツ(イスラエルに特有の経済共同体)、野外音楽フェスの会場で起きた市民の虐殺、強姦、誘拐はポグロム(ユダヤ人大量虐殺)であり、これによりハマスの真の目的が、イスラエルという国家と全イスラエル人の撲滅にあることが確認された。 そのうえで、現状の歴史的背景を検討する必要がある。ハマスによる攻撃について、どんな種類の正当化もすることなく、これから進むべき道をはっきりさせるためだ。 「神権政治国家」になりつつあるイスラエル 第一に考慮すべきは、ほ

    ジジェク「パレスチナ人への同情と反ユダヤ主義との戦いは両立できる」 | パレスチナとイスラエルの相似性とは
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2023/11/12
    “現政権の「基本方針」にはこう書かれている。 「ユダヤ民族は、イスラエルのあらゆる地域に対して占有的かつ不可侵の権利を有する。政府はイスラエルのあらゆる地域への/入植を推進・展開する」”