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ブックマーク / cinemore.jp (6)

  • 『悪は存在しない』世界の裂け目に飛び込む映画|CINEMORE(シネモア)

    『悪は存在しない』あらすじ 長野県、水挽町(みずびきちょう)。自然が豊かな高原に位置し、東京からも近く、移住者は増加傾向でごく緩やかに発展している。代々そこで暮らす巧とその娘・花の暮らしは、水を汲み、薪を割るような、自然に囲まれた慎ましいものだ。しかしある日、彼らの住む近くにグランピング場を作る計画が持ち上がる。コロナ禍のあおりを受けた芸能事務所が政府からの補助金を得て計画したものだったが、森の環境や町の水源を汚しかねないずさんな計画に町内は動揺し、その余波は巧たちの生活にも及んでいく。 Index 伝説的なオープニングショット、覚醒と浸 世界の裂け目 世界の法則を回復せよ 伝説的なオープニングショット、覚醒と浸 『悪は存在しない』(23)を濱口竜介監督の最高傑作とすることに何一つ躊躇がない。これまでの濱口映画のエッセンスを多様に進化させつつ、ネクストレベルを見せてくれる。ほとんど事件

    『悪は存在しない』世界の裂け目に飛び込む映画|CINEMORE(シネモア)
  • フィクションとドキュメンタリーのハイブリッドで加速する『アメリカン・アニマルズ』の面白さとは|CINEMORE(シネモア)

    (c)AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018 フィクションとドキュメンタリーのハイブリッドで加速する『アメリカン・アニマルズ』の面白さとは ※記事は物語の核心に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。 ※2019年5月記事掲載時の情報です。 『アメリカン・アニマルズ』あらすじ 2004年、ケンタッキー州トランシルヴァニア大学の図書館で窃盗事件が起こった。標的は図書館に貯蔵された時価1200万ドルの価値があるジョン・ジェームズ・オーデュボンの画集「アメリカの鳥類」。なんと犯人は大学生4人組だった。何一つ不自由のないはずの中流階級出身の彼らは何故犯罪に手を染めたのか?何が彼らを突き動かしたのか?アメリカ犯罪史上最も大胆不敵なこの強盗事件の結

    フィクションとドキュメンタリーのハイブリッドで加速する『アメリカン・アニマルズ』の面白さとは|CINEMORE(シネモア)
  • 『ファースト・マン』リスクを負い挑戦する姿が宇宙飛行士と重なる、デイミアン・チャゼル監督|CINEMORE(シネモア)

    チャゼル監督の宿命的なテーマ 作がきわめて“主観的”に感じられる理由は他にもある。それは、ニールの家庭の事情が非常に重みを持って描かれているという点である。もちろん、多くの映画において、主人公の家庭環境を描くということは珍しくない。とはいえ作のように偉業を表現する場合のそれは、主人公の達成を盛り上げる役割として機能させる意味を持たせられるのが常であろう。だがここでは、「月面を歩く」という、人類史に燦然と名を残す偉業と、ニールの家庭の問題が、等価に並べられているように感じられるのだ。 それは例えば、劇中で“白人が月へ行く”ことを歌で批判する、ある黒人の主張も同様である。作がそれを正当な意見だとも身勝手な主張だとも扱わず、地球と月が、人類が現れる以前からもともと現実に存在していたように、自然にあるものとして描いているのだ。多くの人々は、家庭人としてのニールではなく、月を歩くニールをこそ重

    『ファースト・マン』リスクを負い挑戦する姿が宇宙飛行士と重なる、デイミアン・チャゼル監督|CINEMORE(シネモア)
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2019/02/28
    “特別な存在になるためには、何かを犠牲にすることがあるという、シンプルな価値観/それらはいつか和解をすることがあり得るのではないかという願望や可能性が、ガラスによって分断されつつも求め合うふたりの姿を
  • 『ファースト・マン』リスクを負い挑戦する姿が宇宙飛行士と重なる、デイミアン・チャゼル監督|CINEMORE(シネモア)

    真のリアリティは“非・映画的”である 私が最も印象深かったのは、ニールたちが打ち上げのためにコクピットへ向かう際、エレベーターに乗って上がっていくシーンだった。エレベーターはガラス張りで、これから搭乗するロケットを望む風景が映っている。だが、その画面で最も目立っているのは、ロケットでもなく、搭乗者の姿でもなく、エレベーター室内に下がっている照明の映り込みなのである。映画では、見せたいものを見せることができる。美術に手間暇をかけられる大作映画であれば、不要な情報を画面の中から排除することは容易なはずである。にも関わらず、無意味にも思える情報を、ここでは印象的にとらえようとしている。だが考えてみれば、人間の体験や記憶というのは、そういうものなのではないだろうか。 ここで、少し別の話をしたい。サッカーの有名な指導者、ファビオ・カペッロ監督は、かつてイタリア・サッカー1部リーグのチーム「ASローマ

    『ファースト・マン』リスクを負い挑戦する姿が宇宙飛行士と重なる、デイミアン・チャゼル監督|CINEMORE(シネモア)
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2019/02/28
    “『ファースト・マン』の映像は、“意味”にこだわらない姿勢で、このようなある種の不可解さをも内包することで、きわめて主観的なムードを作り出しているのではないだろうか。”
  • 『トゥモロー・ワールド』圧倒的な“状況”を描き尽くした長回しの裏側|CINEMORE(シネモア)

    記事は、物語の結末に触れていますので、未見の方は映画鑑賞後にお楽しみいただくことをお勧めします。 ※2018年8月記事掲載時の情報です。 『トゥモロー・ワールド』あらすじ 人類に最後の子供が誕生してから18年が経過した西暦2027年。原因がわからないまま子孫を生み出すことの出来なくなった人間には滅亡の道しかないのか。希望を失った世界には暴力と無秩序が際限なく拡がっていた。世界各国が混沌とする中、英国政府は国境を封鎖し不法入国者の徹底した取締りで辛うじて治安を維持している。そんなある日、エネルギー省の官僚セオは、彼の元ジュリアン率いる反政府組織“FISH”に拉致される。ジュリアンの目的は、ある移民の少女を“ヒューマン・プロジェクト”という組織に引き渡すために必要な“通行証”を手に入れることだった。最初は拒否したものの、結局はジュリアンに協力するセオだったが…。 Index 説明を排除し

    『トゥモロー・ワールド』圧倒的な“状況”を描き尽くした長回しの裏側|CINEMORE(シネモア)
  • 傑作サスペンス『ウインド・リバー』が現代の“西部劇”でもある理由|CINEMORE(シネモア)

    ※2018年8月記事掲載時の情報です。 『ウインド・リバー』あらすじ 雪深いアメリカの、ネイティブアメリカンが追いやられた土地“ウインド・リバー”で見つかった少女の死体―。新人捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)が単身FBIから派遣されるが、慣れない雪山の厳しい条件により捜査は難航。ジェーンは地元のベテランハンターで、遺体の第一発見者であるコリー・ランバート(ジェレミー・レナー)に協力を求め、共に事件を追うが、そこには思いもよらなかった結末が・・・。 Index ネイティブ・アメリカン保留地を舞台にした異色サスペンス 西部劇が描き続けてきたテーマの“現在地”がここにある 文化、風土、登場人物、プロット・・・シンクロする要素は盛りだくさん 名脚家が描く3部作の最終章としての位置付け ネイティブ・アメリカン保留地を舞台にした異色サスペンス 2017年、『ウインド・リバー』の快進撃は

    傑作サスペンス『ウインド・リバー』が現代の“西部劇”でもある理由|CINEMORE(シネモア)
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