先週末の金曜日(3月22日)夜(日本時間23日未明)、ロシアの首都モスクワ郊外のコンサートホールを、武装集団が襲撃。少なくとも133人が死亡し、145人以上が負傷する大惨事となった。ロシアでは過去20年で最悪のテロであり、イスラム過激派組織IS(イスラム国)が、SNS上で犯行声明を出した。 ロシアはウラジーミル・プーチン大統領が5選を決めたばかりだが、2年を超えるウクライナ戦争も、一向に停戦の兆しが見えない。それは、勃発から半年を迎えたガザ紛争も同様である。 そんな混迷を深める世界を、私たちはどう見ていったらよいのか。国際テロやインテリジェンスの専門家である軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏が、このほど新著『工作・謀略の国際政治』(ワニブックス刊)を刊行した。まさに今回のモスクワでのテロのような大事件の裏で暗躍する「世界の情報機関とインテリジェンス戦」について、最新情報を網羅した367ページ