被災県図書館の資料救済要望等に関する現地調査<報告> 2011年5月9日から11日にかけて,国立国会図書館資料保存課職員2名が岩手県立図書館,岩手県釜石市立図書館,同県野田村立図書館,宮城県図書館及び福島県立図書館を訪問し,東日本大震災による被害状況及び被災資料の救済要望に関する聞き取り調査を行った。 ●各県図書館の被害状況 宮城県図書館ではガラスの破損,壁のはく落等の建物被害,資料の落下による被害等があった。資料廃棄の判断基準,資料補修の研修,資料落下防止策等の課題が確認された。同館は5月13日から再開した。 宮城県内では津波によって南三陸町図書館が壊滅し,所蔵資料も失われた。今後,広範囲に流出した蔵書の回収・救済から,図書館の再建・経営に至るまでの総合的な支援が求められる。また,内陸部で地震被害にあった他の市立図書館では,書架不足による復旧作業の遅れなどがあり,再開への影響が懸念される