2023年8月23日、丸善雄松堂株式会社が、国立情報学研究所(NII)に、同社が保有する電子書籍に係る書誌データ約12万件を提供することについて、2023年7月に合意したことを発表しました。 発表によると、同社の電子図書館サービスである「Maruzen eBook Library」で提供されている電子書籍の書誌データについて、NIIが構築を進める国内電子ブックメタデータのディスカバリーサービスのプロトタイプのために提供することとしたとしています。 丸善雄松堂がNIIへ書誌データの提供で協力~NIIの電子ブックメタデータ「ディスカバリーサービス」の実証実験に電子図書館Maruzen eBook Libraryの書誌データを提供~(丸善雄松堂, 2023/8/23) https://yushodo.maruzen.co.jp/release/20230823/ 参考: これからの学術情報システ
2023年3月30日付で、国立国会図書館サーチが「メタデータ流通ガイドライン」<研究データ編>を公開しています。 同ガイドラインは、デジタルアーカイブ、蔵書目録等のデータベースのメタデータ設計の関係者が、各機関の特性に応じた適切なメタデータの作成、流通経路の選択ができるように作成されました。2022年3月にドラフト版として<共通編>を公開していました。 国立情報学研究所(NII)・科学技術振興機構(JST)・国立国会図書館(NDL)連絡会議の「メタデータの相互運用性に関する検討ワーキンググループ」において、NII、JST、NDL、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、これからの学術情報システム構築検討委員会が共同で作成しました。<研究データ編>では、主に研究データのメタデータで採用される項目について説明しています。 今後も、メタデータ項目を随時追加・更新する予定であるとしてい
日本国内でのレファレンスツールの電子化動向 実践女子大学図書館:伊藤民雄(いとうたみお) 1. はじめに 「参考図書」(reference book)は、通読されることを目的として作られているのではなく、調査あるいは参照が容易にできるように編集されている、いわば道具(tool)として作られた(1)ものである。道具としての側面を強調する場合には「レファレンスツール」(reference tool、以下「ツール」)の呼称が使用されるが、こうした資料は紙媒体(冊子体)の「参考図書」だけに留まらず、メディアの多様化により、代替化されたマイクロ資料、あるいは電子資料(ローカルアクセス資料、リモートアクセス資料)にも現れるようになっており、それら全てを総称する意味で使用する。 さて本稿では、個々のレファレンス質問を回答する際に利用されるツールについて、図書館情報学的な定義を行ったうえで、その電子化に関
個人向けデジタル化資料送信サービスの開始 電子情報部電子情報企画課・木村祐佳(きむらゆか) 国立国会図書館(NDL)は,2022年5月19日から「個人向けデジタル化資料送信サービス」(以下「個人送信」)を開始した。これは,NDLがデジタル化した資料のうち,絶版等の理由で入手困難なもの(以下「絶版等資料」)を,インターネットを通じて個人の端末で閲覧できるサービスである。国内在住のNDL登録利用者は,本サービスの利用規約に同意することで,国立国会図書館デジタルコレクション上で絶版等資料を閲覧することができる。 NDLでは,デジタル化した資料のうち,著作権処理が済んだものはインターネットで公開し,それ以外はNDL館内に設置された端末からの利用に限定して提供してきた。2014年1月からは,「図書館向けデジタル化資料送信サービス」(以下「図書館送信」;E1540,CA1911参照)を開始し,絶版等資
CA2016 – 動向レビュー:“Controlled Digital Lending”を巡る動向:CDLに羽化した図書館サービス理念と米国出版界の主張 / 山本順一 文化機関における3次元計測・記録データの管理・公開の意義と課題 金沢大学古代文明・文化資源学研究センター:野口 淳(のぐちあつし) はじめに 3Dが話題である。コロナ禍におけるオンライン・シフト、デジタル・トランスフォーメーションへの要請、クロスリアリティ(XR)やメタバースへの注目も追い風として、3Dの波は、ゲームやアニメ、映画などエンタメ寄りのビジネスセクターから博物館等の文化機関へ押し寄せている。しかし時流にのった話題性や技術的な新規性だけでなく、本来、3Dは文化機関においてこそ、その効果が強く発揮されるものである。本稿では、3次元計測の原理・技術・データに関する基礎的事項について概説するとともに、文化機関においてデー
2022年2月18日、国立国会図書館(NDL)が、JAPAN/MARC全件データの提供を開始しました。 提供を行うのは、単行資料・逐次刊行資料の全国書誌データを収録するJAPAN/MARC(M/S)と、個人名・家族名等の典拠データを収録するJAPAN/MARC(A)の全件データです。データ形式はJAPAN/MARC MARC21フォーマットです。 希望者は電子メールでの申し込みが必要です。 書誌データに関するお知らせ(NDL) https://www.ndl.go.jp/jp/data/news.html ※2022年2月18日付で「JAPAN/MARC全件データの提供を開始しました。」とあります。 JAPAN/MARC全件データ提供(NDL) https://www.ndl.go.jp/jp/data/data_service/index.html#jmall 参考: 国立国会図書館(N
2022年2月1日、国立国会図書館(NDL)は、「個人向けデジタル化資料送信サービス」を2022年5月19日から開始すると発表しました。 2021年6月2日に著作権法の一部を改正する法律が公布されたことによるサービスであり、NDLがデジタル化した資料の内、絶版等の理由で入手困難なものを、利用者の端末を用いてインターネット経由で閲覧できるようになります。なお、サービス開始当初は閲覧のみですが、2023年1月を目途に印刷機能の提供が開始される予定です。 対象は、日本国内に居住している「個人の登録利用者」です。「個人の登録利用者」となるには、現在はNDL東京本館または関西館への来館や書類の郵送による手続きが必要ですが、同サービスの開始と同時に、インターネット上での登録手続きが可能になります。 「個人向けデジタル化資料送信サービス」の開始について(令和4年5月19日予定)(NDL, 2022/2/
「学芸大デジタル書架ギャラリー」の公開 東京学芸大学附属図書館・高橋菜奈子(たかはしななこ) 東京学芸大学附属図書館では,2020年6月25日に当館ウェブサイト上で図書館内の書架の画像を提供する「学芸大デジタル書架ギャラリー」を公開した。教育学分野を中心に本の背表紙の画像を閲覧できるようにするとともに,書架を3次元で表現した「3D書架」も公開した。画像データはオープンデータとして再利用可能である。 ●背景 当館は,新型コロナウイルス感染症拡大に係る緊急事態宣言を受け,2020年4月9日から臨時休館となった。4月15日の時点で「在宅で利用できる図書館サービス」のページを開設し,電子書籍の追加購入やキャンパス外からのアクセスの確保などデジタルリソースの提供に関する取り組みを進め,学習支援のための人的な相談窓口としてレファレンスのオンライン受付を開始している。 緊急事態宣言解除前後,5月20日か
2021年9月9日、福井県立図書館は、同館のウェブサイトで公開している「覚え違いタイトル集」が『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』として書籍化されると発表しました。 「覚え違いタイトル集」の中から92事例を掲載し、覚え違いの裏話や司書が正しい本を探す方法等が含まれているとあります。発表によると、2021年10月20日発売です。 お知らせ(新着情報)(福井県立図書館) https://www.library-archives.pref.fukui.lg.jp/tosyo/contents/newinfo/index.html ※2021年9月9日欄に「『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』の発売が決定しました」とあります。 『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』の発売が決定しました(福井県立図書館) https://www.library-archives.pref.fu
ウェブ時代の新しい書誌データモデル“BIBFRAME” 米国議会図書館(LC)は,2012年11月21日付で,「『データのウェブ』としての書誌フレームワーク:Linked Dataモデルと支援サービス」と題した文書を公表した。LCでは,RDA(CA1767参照)導入テストの結果などを踏まえ,書誌フレームワークの変革に向けた取り組み“Bibliographic Framework Transition Initiative”を2011年5月に開始し,同年10月に計画文書を公表していた(E1246参照)。この取り組みの新たなステップとして,半世紀近くにわたって用いられてきたMARCに替わる,ウェブ時代にふさわしい新たなフォーマットのためのデータモデル“BIBFRAME”を提案したものである。 本文書は,モデルを提示する中心部分の前に序論を,後にLinked Data(CA1746参照)に関わる
2021年1月21日、神奈川県川崎市は、収蔵品レスキューの状況と被災収蔵品の処分について発表しています。 2020年12月25日時点での収蔵品レスキューの状況とともに、被災収蔵品4万2,237点を処分することや、処分に際しては「川崎市市民ミュージアム被災収蔵品の取扱について」に定めた所定の手続きを完了していることを報告しています。 市民ミュージアム 収蔵品レスキューについて(川崎市, 2021/1/21) https://www.city.kawasaki.jp/250/page/0000122172.html 川崎市市民ミュージアム収蔵品レスキューの状況及び被災収蔵品の処分について [PDF:1ページ] https://www.city.kawasaki.jp/templates/press/cmsfiles/contents/0000124/124881/Hodohappyoshiry
マンガ図書館におけるマンガ以外の所蔵資料 myrmecoleon(1) 「たくさんのマンガや関連資料を所蔵し、閲覧・展示する図書館・ミュージアムなどの施設」をマンガ図書館と呼ぶ(2)と、線引きによるが、現在国内には数十から百近くのマンガ図書館がある(3)。 図書館の所蔵資料の多くが図書であるのと同様に、マンガ図書館の所蔵資料の多くはマンガ(マンガが掲載された資料)である。マンガは主に各種の出版物(4)やデジタル媒体(5)に掲載されるほか、肉筆画としての鑑賞が前提のマンガもある(6)。図書館が図書以外の資料を収集するのと同様に、マンガ図書館もマンガ以外の資料を収集している。 マンガ図書館は一般の図書館と重なる点もあり、過去にも『カレントアウェアネス』で紹介されるなど関心が高いが、マンガ以外の所蔵資料に注目した紹介は少なかった。これらもマンガ理解の上で意義のある資料であることから、今回はこうし
2019年10月16日、日本博物館協会が、台風第19号による博物館の被災状況について、関連支部を通じて情報収集中であると発表しています。 また、同協会の賛助会員である(株)東京光音から、水損した映像音声資料の無償クリーニングの申し出があったこともあわせて紹介しています。 日本博物館協会 News https://www.j-muse.or.jp/ ※「台風19号による博物館の被災につきまして」とあります。 令和元年台風19号に伴う視聴覚資料救済窓口開設について(東京光音,2019/10/15) http://www.koon.co.jp/info/1.html#d20191015 参考: 令和元年台風第19号による博物館等への影響 Posted 2019年10月15日 https://current.ndl.go.jp/node/39263
国立国会図書館(NDL)は、2014年1月から提供している図書館向けデジタル化資料送信サービスについて、2019年4月22日から海外機関からの申請の受付を開始しました。 サービス参加館は、国立国会図書館デジタルコレクションの収録資料のうち、インターネット公開分を含め200万点以上の図書、雑誌、古典籍資料(貴重書等)などを利用することができます。 英語によるサービスの詳細や申請手続き案内は、近日中に国立国会図書館のウェブサイト上で公開される予定です。 海外機関からの図書館向けデジタル化資料送信サービスの申請受付を開始しました。(NDL,2019/4/22) https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2019/190422_01.html Digitized Contents Transmission Service for Libraries (For Libraria
2019年3月4日、米国国立医学図書館(NLM)が、生物医学分野の文献の増大に対応するための検索品質等の向上を目指して作業中のPubMedの更新版を“PubMed Labs”のプラットフォーム上で公開したと発表しています。 機械学習アルゴリズムに基づく新しいソート機能“Best Match”、検索結果画面におけるスニペット表示、レスポンシブデザインの採用、Solr・MongoDB・Djangoといった技術の採用、利用者主導型の開発、といった特徴が紹介されています。 An Updated PubMed Is on Its Way. NLM Tech Bull. 2019 Mar-Apr;(427):e1. https://www.nlm.nih.gov/pubs/techbull/ma19/ma19_pubmed_update.html PubMed Labs https://www.ncb
2017年5月16日、米国議会図書館(LC)が、オンラインカタログで公開している2,500万件の書誌データのオープンデータセットを専用ウェブページ“MARC Distribution Services (data set)”からダウンロードできるようにしたと発表しています。 データはMARC形式(UTF8、MARC8、XMLの3種類)で、図書・雑誌・コンピュータファイル・手稿・地図・視聴覚資料といった幅広い資料の、1968年から2014年にかけての45年間分のデータ(タイトル・著者・出版年・件名標目・ジャンル・注記等)が含まれています。 同データは、連邦政府の様々な機関が扱う情報・データを扱うサイト“DATA.GOV”からも入手することができます。 LCでは、5月17日から5月18日にかけて、米・ジョージワシントン大学やジョージ・メイソン大学と合同で開催するHack-to-Learnワーク
情報知識学会誌の第27巻1号に、日本の学協会誌に掲載された論文を対象にオルトメトリクス付与状況を分析した論文、「日本の学協会誌掲載論文のオルトメトリクス付与状況」が掲載されています。著者は同志社大学の佐藤翔氏と豊橋技術科学大学の吉田光男氏です。 同論文では2006~2015年に日本の学協会誌に掲載された論文約100万本を対象に、オルトメトリクスの付与状況を分析しています。その結果、日本の学協会誌掲載論文のうち、ソーシャルメディアから言及されているものは約1~2%とわずかにとどまっていることがわかったとのことです。分野としては人文社会系の論文でソーシャルメディアからの言及が多いとされています。 佐藤翔, 吉田光男. 日本の学協会誌掲載論文のオルトメトリクス付与状況. 情報知識学会誌. 2017, 27(1), p.23-42. http://doi.org/10.2964/jsik_2017
日本では、これまで大学図書館とNIIが連携して電子リソース基盤構築に努め(表参照)、NACSIS-CATを通じた一部電子ジャーナルのILLでの活用や、数機関でのERMS導入に繋がった。しかし、電子リソースの契約からライセンス管理、アクセス提供までの一連のワークフローを確立するまでには至らなかった。現在この活動は、「大学図書館と国立情報学研究所との連携・協力推進会議」(12)を母体とする「これからの学術情報システム構築検討委員会」(13)の電子リソースデータ共有作業部会(以下、作業部会とする。)が引き継いでおり、筆者らも参加している(14)。作業部会では、日本で刊行された電子リソースのデータ共有サービス(Electronic Resources Database-JAPAN:ERDB-JP;E1678参照(15))の運用を行うほか、日本で契約される電子リソースデータの管理及び活用やデータ共有
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