京都国際マンガミュージアムの現在 京都精華大学国際マンガ研究センター長:吉村和真(よしむら かずま) 京都国際マンガミュージアム(以下、MM)は、京都精華大学と京都市の共同事業として2006年11月に開館した。館内では、漫画家や出版社との協力による展示や講演、独自企画の研究会やワークショップ、さらには教育機関や企業、省庁や自治体との共催事業も展開している。今年度の第41回日本漫画家協会賞で特別賞を受賞するなど、産・官・民・学による幅広い社会連携の成功例として注目されるようになった。 当館の概要については、ウェブサイトなどを参照していただくこととして、ここでは開館から5年半の実績をふまえつつ、近年の動向や直面している課題を述べる。 来館者の動向 京都駅から地下鉄で約5分という立地の至便さもあり、2010年8月には来館者累計100万人を突破。2011年には、震災や入館料の値上げもあったが約2