国立民族学博物館は現在、フォーラム型情報ミュージアムというプロジェクトを進めている。世界各地の博物館、ソースコミュニティの人々(資料の制作者、使用者、その子孫)、そして民博が国際協働研究という枠組みにおいてチームを組み、収蔵する民族誌資料の高度情報化と、博物館から遠く離れた地に暮らすソースコミュニティによる資料データへのアクセスと利用を簡便化させる協働環境を整備する、学術的かつ実践的な試みである。本発表ではこのプロジェクトを進めることで明らかになった民族誌資料のデジタルアーカイブ化にかかる諸問題を検討するとともに、ソースコミュニティの人々や連携機関との意見交換を経て採用した対応を例示する。