もやがかかったホープウェル文化国立歴史公園。(PHOTOGRAPH BY TOM ENGBERG, THE NATIONAL PARK SERVICE) 2023年、米オハイオ州にあるホープウェルの儀式用土塁群がユネスコの世界遺産に登録された。州の中央部から南部にかけて8カ所に点在する土塁(マウンド)群は、幾何学的な形をした土の構造物としては世界最大級だ。米国で25番目となる世界遺産登録で、オハイオ州からは初めて。 ホープウェル文化は、オハイオ州南部を流れる川の渓谷で紀元前200年~西暦500年に栄えた。以前は、このホープウェル文化を含む複数の北米先住民族をまとめて「マウンド・ビルダー」と考古学者たちは呼んでいた。そのなかでも、ホープウェル文化の数学、土木工学、天文学は北米で最も進んでいたと考える専門家もいる(ホープウェルとは、1890年代にこの土塁群が発見された土地の所有者の名に由来して