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  • 221年ぶりに周期ゼミの2集団が同時に大量発生、江戸時代以来

    セミのなかには、毎年姿を現すものもあれば、一定の周期でしか姿を現さない「周期ゼミ」もいる。2024年の春は、米国の南東部から中西部で、周期ゼミの2つの大きな集団が同時発生する見込みだ。(PHOTOGRAPH BY REBECCA HALE, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 2024年の4月下旬から6月にかけて、米国の南東部から中西部で、200年の時を超えて大自然の交響曲が奏でられる。周期ゼミの2つの集団が221年ぶりに同時に姿を現しはじめるのだ。「今年はとても重要な年になるでしょう。神秘的で驚くべき出来事です」と、「虫博士」として知られる米ミズーリ大学のタマラ・リオール氏は言う。(参考記事:「17年ゼミの大発生始まる、動物たちの反応は?」) 221年ぶりなのは、2つの集団の周期がそれぞれ13年と17年だから。前回同時に姿を現したのは1803年のこと。米国大統領はトーマス

    221年ぶりに周期ゼミの2集団が同時に大量発生、江戸時代以来
  • 古代ポンペイから生き延びた人たちはいるのか? 今も続く追跡

    ベスビオ火山噴火で生き埋めとなった人々の遺体は、灰に閉じ込められたままやがて朽ちていった。そこに石膏を流し入れて作られた千体以上の模型は、古代に起きた自然災害の象徴として広く知られるようになった。(PHOTOGRAPH BY DAVID HISER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 史上最も有名な火山噴火といえば、何といっても西暦79年に古代ローマの都市ポンペイを火砕流によって埋め尽くしたベスビオ火山の噴火だろう。正確にいつ噴火したのかについては歴史家の間で意見が異なるが、8月24日というのが、これまでの定説だ。 この噴火でポンペイの人々が壮絶な最期を迎えたことはよく知られている。火山灰に埋もれた遺体は、後に腐敗してその部分に空洞ができた。19世紀に入ってから、そこに石膏が流し入れられ、遺体の模型が作られた。(参考記事:「脳が溶けてガラス化、窯焼きも、新たに浮上したベス

    古代ポンペイから生き延びた人たちはいるのか? 今も続く追跡
  • 「アブラカダブラ」は誰が唱え始めて、どのように使われたのか

    13世紀の写。クイントゥス・セレヌス・サンモニクスによる古代ローマのマラリアの「治療法」が記述されており、ここでは文字を左側から1つずつ減らす方法で、逆三角形の中に小さな文字でABRACADABRA(アブラカダブラ)と書かれている。(PHOTOGRAPH BY BRITISH LIBRARY ARCHIVE, BRIDGEMAN IMAGES) 「アブラカダブラ」という言葉を聞くと、何か不思議なことが起きたと思うはずだ。変身かもしれないし、ちょっとしたトリックかもしれない。この言葉自体は奇妙だが、今や不可能とされることを示す普遍的なサインとなっている。アブラカダブラの正確な語源については、専門家の間でも意見が分かれているが、古い言葉であることは間違いない。 アブラカダブラが最初に登場するのは1800年以上前のクイントゥス・セレヌス・サンモニクスの著書で、発熱の特効薬と記されている。抗生剤

    「アブラカダブラ」は誰が唱え始めて、どのように使われたのか
  • 「うるう秒」とは何か、なぜ廃止が決まったのか? その後は白紙

    1959年、初期のセシウム原子時計を扱う科学者たち。うるう秒は原子時と天文学的な時刻を同期させるために使われてきた。(PHOTOGRAPH BY NIST, THE NEW YORK TIMES/REDUX) いまは何時? 携帯電話やパソコンを見れば、かなり正確な答えがわかるだろう。時刻は不変のペースで刻まれているように思えるが、実は私たちの時計は何十年もの間、数年ごとに「うるう秒」を挿入して調整されてきた。 これは、原子時計と地球の自転に基づく時計を合わせるためであり、そうして調整された時計が長い間、国際的な時刻の基準になっていた。ところが、科学者たちはうるう秒を廃止することにした。うるう秒の何が問題なのだろうか? 「秒」を定める 「秒」という時間の単位は、24時間の天文学的な1日(地球の1回転)を単純に8万6400分割して作られた。ただ、一つだけ問題があった。地球は毎日同じ速度で自転し

    「うるう秒」とは何か、なぜ廃止が決まったのか? その後は白紙
  • うるう年の最古の記録は2200年前、微妙な違いをどう知ったのか

    紀元前3世紀に記された「カノプス勅令」の複製。エジプト語のヒエログリフ(象形文字)とデモティック(民衆文字)の下に、古代ギリシャ語が併記されている。うるう年に関する世界最古の記録だ。(PHOTOGRAPH BY G. DAGLI ORTI, NPL - DEA PICTURE LIBRARY/ BRIDGEMAN IMAGES) 太陽暦の1年は、正確には365日ではなく、およそ365と4分の1日だ。これを考慮して、暦には4年ごとに1日が追加されている。ではこのうるう年はいつからあったのだろう? エジプトの砂漠での大発見によれば、少なくとも2262年前にはあったようだ。 1866年、ナイル川デルタに存在した古代エジプトの都市タニスを訪れたドイツの学者たちが石碑を発見した。高さ2メートル超、幅1メートル近い石灰岩の厚い板だ。有名なロゼッタ・ストーンと同様、古代エジプト語(象形文字のヒエログリフ

    うるう年の最古の記録は2200年前、微妙な違いをどう知ったのか
    nagaichi
    nagaichi 2024/03/02
    ちなみに中国の「閏月」は文献的には帝堯のときに作られたことになっている。『史記』五帝本紀参照。暦の正確さは農事に不可欠なので、農耕社会は暦学と天文学を発展させざるをえない。
  • まだ生きているような欧州のミイラ、「トーロンマン」とは何者か

    1950年にデンマークの泥炭地で発見されたボグボディー(湿地遺体)は、「トーロンマン」と名付けられた。(PHOTOGRAPH BY ROBERT CLARK, NATIONAL GEOGRAPHIC IMAGE COLLECTION) 1950年、デンマークの泥炭地で燃料のために泥炭を切り出していた一家が、謎の遺体を発見した。あまりに状態が良かったため、殺されて間もない、地元の殺人事件の被害者かと思われたものの、後に意外な事実が明らかになった。男が殺されたのは確かだが、事件が起こったのは2400年も前の鉄器時代のことだったのだ。 現在は「トーロンマン」として知られる遺体の顔は、無精ひげやわずかに笑みを浮かべた表情などが驚くほどきれいに保存されており、今や世界で最も有名な湿地遺体(ボグボディー)になった。しかもその死をめぐっては、いけにえのために殺されたのではないかとも言われ、ますます謎めい

    まだ生きているような欧州のミイラ、「トーロンマン」とは何者か
  • 「スノーボールアース」、小惑星の衝突が引き金だった、新説

    6億5000万年前、雪と氷が惑星表面と海の大半を覆っていた時代の地球の復元図。新たな研究は、この「スノーボール」状態は小惑星によって引き起こされたのではないかと提案している。(ILLUSTRATION BY SPENCER SUTTON, SCIENCE PHOTO LIBRARY) もし何億年も前の時代にタイムトラベルしたなら、地球はまるで映画『スター・ウォーズ』に出てくる惑星ホスのような姿をしていることだろう。凍りつくように寒く、陸地と海をほぼ隙間なく覆う果てしない氷の世界を、乾いた空気が吹き抜けていくのだ。 「スノーボールアース」として知られるこうした全地球規模の凍結状態は、少なくとも2回、どちらも6億年以上前に発生している。世界が巨大な氷の球に変わってしまうなど、何か重大な問題が起こっていたに違いない。しかしその問題とは、一体なんだろうか? 異常な火山活動から超大陸の破壊までさまざ

    「スノーボールアース」、小惑星の衝突が引き金だった、新説
  • 古代の騎馬民族スキタイ人、人の皮で矢筒を作っていた、初の証拠

    スキタイ人の墓から出土した2400年前の皮や毛皮の断片47個のうち、少なくとも2つが人間のものだったことがわかった。(PHOTOGRAPH COURTESY MARINA DARAGAN) 古代ギリシャの歴史家ヘロドトスは、2400年以上前に、騎馬遊牧民のスキタイ人は人間の皮を使って矢筒を作ると書き残した。これまで疑問視されることが多かった記述だが、このたび、それが事実だったことが確認された。2023年12月13日付けで学術誌「PLOS ONE」に発表された論文には、「この調査結果によって、ヘロドトスのおそろしい主張が裏付けられたものと考える」とある。 ヘロドトスによると、スキタイ人は最初に殺した人間の血を飲んだり、頭皮を集めたりしていた。「死んだ敵の右手から、皮や爪などあらゆるものを集め、矢筒のカバーにする者も多い。人間の皮は厚く、光沢があるので、あらゆる動物の皮の中で一番明るく白いとも

    古代の騎馬民族スキタイ人、人の皮で矢筒を作っていた、初の証拠
  • 世界の七不思議、金と象牙の巨大な「オリンピアのゼウス像」

    現代に描かれたオリンピアのゼウス像の想像図。(RECREATION BY LOOK AND LEARN/BRIDGEMAN/ACI) 古代ギリシャの都市国家エリスに位置するオリンピアの聖域には、ゼウス神殿があり、かつては金の衣をまとった巨大なゼウス像が祭られていた。ゼウス像は壮麗な玉座に腰かけていたにもかかわらず、高さは約12メートルもあったという。紀元前1世紀の地理学者ストラボンは、「ゼウスが立ち上がれば、頭が神殿の屋根を突き抜けてしまうほどの大きさ」だと記している。 職人の技は驚くほど精緻で、複雑な彫刻や装飾が施され、目には貴重な宝石が使われていた。この像は紀元前225年には、ビザンティウムの数学者フィロンやシドンの作家アンティパトロスなどにより、「世界の七不思議」の1つと呼ばれていた。この七不思議のリストには、他にはギザの大ピラミッド、バビロンの空中庭園、アレクサンドリアの大灯台、マ

    世界の七不思議、金と象牙の巨大な「オリンピアのゼウス像」
  • 土星の衛星ミマスの地下に海、最新研究で判明、別名デス・スター

    NASAの土星探査機カッシーニが、土星の衛星ミマスにフライバイし最接近してとらえた画像。巨大なハーシェル・クレーターがあるミマスは、映画『スター・ウォーズ』の宇宙要塞「デス・スター」に似ている。このミマスの地下全体に海がある証拠が示された。(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SPACE SCIENCE INSTITUTE) 土星の衛星ミマスの地下全体に海がある証拠が発表され、天文学者たちを驚かせている。2004年から2017年にかけて土星探査機カッシーニが行った調査を新たに分析したところ、軌道周回中の「秤動(ひょうどう)」と呼ばれる揺れが、地殻の下が液体の海で占められているためであることが示された。論文は2月7日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された。 地下海の存在はすでにいくつかの太陽系の天体でも確認されているが、ミマスもそのメンバーに加わることになる。また、

    土星の衛星ミマスの地下に海、最新研究で判明、別名デス・スター
    nagaichi
    nagaichi 2024/02/09
    みんなスターウォーズばかりですか。バキン・ラカン帝国の聖帝ミマスとか言い出す人はいないんですか。
  • “妖精”ペンギンを突然襲い始めたカラス、経緯は謎、広がる恐れも

    オーストラリア、ビクトリア州のフィリップ島自然公園で、夜、巣穴に帰るコガタペンギン(Eudyptula minor)たち。(PHOTOGRAPH BY TUI DE ROY/NATURE PICTURE LIBRARY) オーストラリア南部に位置するフィリップ島の砂浜に、壊れた笛の音のような悲鳴が響き渡る。声の主は、体長わずか30センチ、体重1.4キロのコガタペンギン(Eudyptula minor)。地下に掘った巣穴からひなを盗み出そうとするミナミコワタリガラス(Corvus mellori)と戦っているのだ。 襲撃の前、カラスは数日かけてコガタペンギンの巣穴を観察する。2羽1組になって、大きな方が親ペンギンの気をそらしている間に、小さな方が巣穴の上から穴を掘り、卵やひなを盗み出す。研究者らが観察していると、親ペンギンを崖から追い落として巣穴を襲ったカラスもいたという。そこまでひどくない

    “妖精”ペンギンを突然襲い始めたカラス、経緯は謎、広がる恐れも
  • 謎に包まれたシルクロードの古代王国の街「カロン城」とは

    タジキスタンの山々の間を流れるパンジ川。ここに、古代シルクロードの王国が栄えた。(PHOTOGRAPH BY MARCUS WESTBERG) タジキスタン中央部、パミール高原のふもとに、15ヘクタールほどの長方形の草地が広がっている。一見何の変哲もないただの広場だが、ここはその昔、ヤギの死骸を奪い合う中央アジアのスポーツ「ブズカシ」の競技場だったと考えられている。雄大なパンジ川を見下ろすこの競技場を中心に、かつて広大な集落が存在し、何世紀にもわたって政治と宗教の首都として栄えた。しかし今では、そのすべてが歴史の彼方に消え去ってしまった。(参考記事:「馬に乗って子牛を奪い合う、アフガニスタンの国技「ブズカシ」」) 現在、この草地はタジキスタンで最も重要な考古学的遺跡とされ、断片化された歴史のなかからタジク人の独特なアイデンティティを復活させようという、国を挙げた取り組みの要と位置付けられて

    謎に包まれたシルクロードの古代王国の街「カロン城」とは
  • 「湖水爆発」で数百万人が犠牲の恐れ、時限爆弾のようなキブ湖

    ルワンダとコンゴ民主共和国にまたがるキブ湖。そのユニークな地質的特徴により、湖深くに膨大な量の二酸化炭素とメタンガスが蓄積しており、湖岸に住む数百万人の命を危険にさらしている。(PHOTOGRAPH BY ROBIN HAMMOND, NAT GEO IMAGE COLLECTION) ルワンダとコンゴ民主共和国にまたがる緑豊かな渓谷にあるキブ湖は、見事な崖に囲まれている。湖上では漁師たちが小舟を浮かべ、歌に合わせて櫂(かい)を揃えて漕ぎながら、その日の料を捕っている。だが、湖の深部は、そんなのどかさとは無縁の世界だ。 キブ湖は地質学的に特異な多層湖で、深い層は蓄積した二酸化炭素とメタンで飽和状態にある。このような湖は世界に3つしかない。残りの2つはカメルーンのニオス湖とマヌン湖で、どちらも過去50年の間に湖水爆発を起こして致死的なガスの雲を噴き上げ、人間や動物を窒息死させた。 1986

    「湖水爆発」で数百万人が犠牲の恐れ、時限爆弾のようなキブ湖
  • 太陽系の第9惑星が見つかるかも、超巨大な“怪物望遠鏡”が挑む

    米SLAC国立加速器研究所で、完成の最終段階に入ったベラ・C・ルービン天文台のカメラ。189個のセンサーを持ち、32億画素の写真を撮影できる世界最大のデジタルカメラだ。(PHOTOGRAPH BY CHRISTIE HEMM KLOK) 地球上から無数の望遠鏡が夜空を観測しているにもかかわらず、地球の周辺にはいまだに姿がとらえられていない未知の天体が数多く存在している。 しかし間もなく、それが変わろうとしている。南米チリに建設中のベラ・C・ルービン天文台(VRO)は、これまで知られていなかった太陽系の大部分を明らかにし、天文学に進歩と革命をもたらすことが期待されている。驚異のエンジニアリングとソフトウェア、科学的な創意工夫から生まれたVROの目的は一つ。夜空全体を丸ごと記録することだ。 確認される小惑星の数は、VROの運用が開始された直後に急増すると予測されている。1801年に最初の小惑星

    太陽系の第9惑星が見つかるかも、超巨大な“怪物望遠鏡”が挑む
  • 太陽の約100億倍明るい宇宙の謎の青い閃光、正体に迫る新発見

    宇宙のかなたで繰り返し発生している明るい閃光を描いた図。ブラックホールが円盤から物質を取り込み、強力なジェットを噴射している。(IMAGE COURTESY ROBERT L. HURT/CALTECH/IPAC) 2022年9月、天文学者たちは口をポカンと開けて、米国カリフォルニア州南部の望遠鏡が捉えたまぶしい青の閃光(せんこう)を眺めていた。地球から44億光年離れた銀河で、太陽の約100億倍も明るい大爆発が起きたのだ。 さまざまな望遠鏡をこのエリアに向けて爆発を観測したところ、この現象が「LFBOT(Luminous Fast Blue Optical Transient)」という爆発に似ていることに研究者たちは気付いた。3カ月後、研究者たちは再び夜空の同じ位置で、3分間の露光を5回繰り返した。その画像を確認してみると、ごく短時間のまぶしい光が再び発生していた。 「私たちは画像を見つめ

    太陽の約100億倍明るい宇宙の謎の青い閃光、正体に迫る新発見
  • 米英がフーシ派を攻撃、火種の「海峡」で何が起きているのか

    アラビア半島(右)と「アフリカの角」(左)に挟まれた幅32キロのバブ(バル)・エル・マンデブ(=嘆きの門)海峡の衛星画像。ペルシャ湾からヨーロッパに運ばれる重要なエネルギー供給を含め、世界の海運の4分の1がここを通過する。(PHOTOGRAPH BY GALLO IMAGES, ORBITAL HORIZON/COPERNICUS SENTINEL DATA 2021/GETTY IMAGES) バブ(バル)・エル・マンデブ海峡は、紅海における地理上のチョークポイント(戦略的に重要な要衝)で、世界情勢に大きな影響をもたらす。バイデン米大統領は1月11日、この海峡を通過する貨物船への攻撃を繰り返すイエメンの武装組織フーシ派の関連施設を、米英軍が攻撃したと発表した。世界が注視するバブ・エル・マンデブ海峡だが、実は人類の歴史においてずっと重要な役割を果たしてきた。今起きていることから世界の火種と

    米英がフーシ派を攻撃、火種の「海峡」で何が起きているのか
  • 身長3mで史上最大の類人猿、食べ物の好みを変えられず絶滅

    中国南部に生息していたギガントピテクス・ブラッキーの群れの復元図。うっそうとした森林が開けた草原へ変化するにつれ、史上最大の霊長類は衰退し、最終的に絶滅した。(ILLUSTRATION BY GARCIA/JOANNES-BOYAU, SOUTHERN CROSS UNIVERSITY) ギガントピテクス・ブラッキー(Gigantopithecus blacki)は史上最大の類人猿だった。おとなの身長は約3メートル、体重は200〜300キロもあり、現在の中国にあたる地域の深い森林に生息していた。 1月10日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された論文は、地質年代と花粉記録、化石の歯の中に保存された手がかりを組み合わせて、ギガントピテクス・ブラッキーが衰退し、絶滅するまでの道のりを詳しく明らかにした。 この印象的な草動物が考古学者によって発見されてから100年近くになるが、絶滅の原因ははっき

    身長3mで史上最大の類人猿、食べ物の好みを変えられず絶滅
  • 世界最古の鞍を発見、定説覆す女性所有者に驚き、約2700年前

    中国の洋海(ヤンハイ)墓地から出土したおよそ2700年前の鞍。革を縫い合わせたものに藁や動物の毛が詰められている。精工な作りだが高価なものではなく、地域の牧畜民に日常的に使われていた。(PATRICK WERTMANN) 古ければおよそ2700年前、中国北西部の乾燥地帯で暮らしていたその女性は、まさに馬に乗ろうという装いで、鞍(くら)と一緒に埋葬されていた。獣皮製の外套をまとい、羊毛のズボンと革製の長を履いていた。 中国新疆ウイグル自治区のトルファン市近郊にある洋海(ヤンハイ)墓地で出土したこの鞍は、紀元前700年から紀元前400年ものと推定される。これまで発見された鞍の中では最も古く、誰が何の目的で鞍を使っていたかというこれまでの定説に疑問符が付けられた。(参考記事:「2500年前の墓から完全な大麻草13を発見」) 発見は「驚き」だったと、スイス、チューリッヒ大学の研究者で、学術誌「

    世界最古の鞍を発見、定説覆す女性所有者に驚き、約2700年前
  • ネコは世界をどのように捉えているのか、人間の感覚とどう違う?

    ネコが感じ取る世界は、私たちが暮らす世界とはかなり違っている。ネコには人間と同じ五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)が備わっているが、薄明かりの世界で生きやすいように、そのいくつかはより特殊化し、より精密になっている。(PHOTOGRAPH BY SAMUEL WHITTON, ALAMY STOCK PHOTO) ネコにとっての世界は、私たちが暮らす世界とはかなり違う。ネコは人間と同じ五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を備えているが、感覚器官から入ってくる情報の理解や処理のしかたは人間とは大きく異なる。 ネコの気持ちを理解するためには、まず私たちはネコが世界をどのように捉えているかを理解する必要がある。あなたのネコが経験している世界を知ることで、ネコとの関係をより良くすることができるかもしれない。(参考記事:「ネコの表情は276種類あると判明、なぜそんなに多いのか?」) 視覚 ネコも人

    ネコは世界をどのように捉えているのか、人間の感覚とどう違う?
  • 26年前に別れた妹を覚えていたボノボ、人以外で最長の社会的記憶

    コンゴ民主共和国の森でくつろぐ野生の若いメスのボノボ。土をべたせいで唇がオレンジ色に染まっている。(PHOTOGRAPH BY CHRISTIAN ZIEGLER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 日の京都大学野生動物研究センター熊サンクチュアリに移されたボノボが、四半世紀以上前に別れた妹と甥を覚えていたという研究結果が、2023年12月18日付けで学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表された。論文によると、この事例は、ヒト以外の生物がもつ社会的記憶としては、これまでで最長記録だという。以前の最長記録を保持していたのはハンドウイルカであり、彼らは20年ぶりに聞いたかつての群れの仲間の声を認識できることが確かめられている。(参考記事:「イルカの記憶力、20年前の仲間を認識」) 熊サンクチュアリに暮らすボノボのルイーズは、米サンディエゴ動物園で生まれ、妹

    26年前に別れた妹を覚えていたボノボ、人以外で最長の社会的記憶