ミトコンドリアDNAは母親側からのみ子孫へ受け継がれます。つまり、そのさまざまな変異を人口全体で遡ることで、科学者たちは過去20万年以上の間の進化の過程がわかるのです。 そしてそれを調べると、すべてが現代のアフリカ人の祖先たちに行き着くのです。 このDNA調査による証拠は、アフリカから出た最古のヒト属の化石から「アフリカ単一起源説」が導かれるという事実とつながります。 これは解剖学の視点上、現生人類はアフリカでのみ進化し、2つの大きなグループに分かれ世界中に散らばっていったとする説です。 7万年前から12万5千年前に生まれたグループは、アフリカより東へ向かって、中東、アジア、インドネシア、そしてオーストラリアへ移住し、その後発生した、もう1つのグループは、ヨーロッパへ向かいました。 以上が、現在最も有力視されている起源説です。