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あと数日でNASAジェット推進研究所(JPL)での勤務が始まる。僕のJPLでの主な仕事は、無人惑星探査に関する研究・開発だ。平たく言えば、火星、木星や小惑星などにロボット探査機を送り込むための仕事だ。 宇宙開発には夢がある。未来がある。しかし一方で、厳しい批判もあることも承知している。 飢餓や貧困によって多くの命が地球上で失われているときに、なぜ火星に生命の痕跡を見つけることに労力を割くのか。失業して住宅ローンを払えない人が大勢いるときに、なぜたった数人の宇宙飛行士を宇宙に住まわせるために先進諸国は累計で10兆円もの大金をつぎ込んで国際宇宙ステーションを建設し、さらには月や小惑星、火星へ人間を送り出そうとするのか。そんな批判だ。漫画『宇宙兄弟』でもこの問いが取り上げられていた。 税金を使って宇宙開発の仕事をする者として、この問いに答える責任が僕にはある。前回の記事に書いたとおり、僕はMIT
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