『機動戦士ガンダム』を代表とするアニメーション監督・富野由悠季の業績を回顧する展覧会『富野由悠季の世界』。「兵庫県立美術館」(神戸市中央区)で開催中の同展を訪れた富野監督が、自身のアニメに対する姿勢を話した。 会場の入り口には、戦時中に軍需工場で富野の父親が開発に携わったという与圧服が展示されている。パイロットを守る耐圧服だが、富野は宇宙服に似たその姿を物心つく頃から毎日見ていたという。 「父親の仕事はまったく無縁だと思っていたんですけど、もう一度考えてみると、(その影響で)小学生の高学年になったころから宇宙旅行好きというオタッキーなところにハマっていったんじゃないか」と、改めて気づいたと話す。 そんな少年時代を過ごした富野が、SFアニメの演出をした際に驚いたことがあるという。「中学時代まで宇宙旅行の仕方をいわば研究していた立場から見たときに、ほかのスタッフがなんにも知らないで平気でああい