ひょっとしたら、あなたの近くに、ひとりで悩み苦しんでいる子どもがいるかもしれない…… 性暴力の特性を知り、子どもが発するSOSのサインに大人が気付き、適切に対応することが求められています。 性暴力は 身近な人でも被害に気付きにくい 性暴力は怪我等の他の暴力に比べて外見では気付きにくく、羞恥心などから被害者自身が告白しにくい犯罪です。 特に、被害者が子どもの場合は、身近な大人でさえ気付くことができずに、被害が水面下で深刻化、長期化することがあります。 被害が発覚しにくい ● 性暴力は人目につかないところで行われる ● 外傷が残る暴力と異なり、目に見える証拠が残りにくい ● されている(受けている)行為が被害だという認識が子ども自身にない ● 特に保護者や知り合いからの被害は、子ども自身が被害を隠そうとする ● 被害発生のことを子どもが詳しく話さないと理解してもらえない 被害を打ち明けにくい
旧優生保護法(1948~1996年)にもとづき、不妊にする優生手術を強制的に受けさせられたのは憲法違反だとして、宮城県の知的障害のある女性が1月30日、国を相手に仙台地裁に提訴した。 厚生労働省によると、旧優生保護法下で本人の同意なしで行われた優生手術は約1万6千件に上る。しかし手術を受けた当事者が名乗り出るケースはきわめて少なく、提訴まで至ったのは初めてとなる。 改正から20年以上たつなか、行政の資料は失われ、当事者たちの高齢化も進んでいる。一方、優生手術が行われなくなった今も、別のかたちで「優生思想」は存在している。出生前診断は広がりつつあり、障害を理由とした中絶が実質的には行われているからだ。本稿では、旧優生保護法下での強制的な優生手術を入り口に、私たちに潜む「優生思想」を考えたい。 今回の訴訟の原告、由美さん(60代、仮名)の自宅は、広々とした田園の中にある。近くの駅から車で15分
息子の交際相手の少女に売春をさせたとして、警視庁は29日、東京都練馬区の無職の女(55)を児童福祉法違反などの疑いで逮捕し、発表した。「少女が勝手にやっていた」と容疑を否認しているという。 少年育成課によると、女はツイッターで客を募り、2016年12月、豊島区内のホテルで当時17歳だった少女(18)に50代の男=児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で書類送検=と性交させ、4万5千円を得た疑いがある。 捜査関係者によると、少女は女の長男(18)の交際相手。少女は家出をして女の家に住んでいたが、女に「生活費を稼ぎなさいよ」と言われて売春をさせられていたという。警視庁は、女が16年12月~17年1月、ツイッターで客を募って20回以上売春をさせ、約70万円を得ていたとみている。翌2月、少女が逃げ出し、被害が発覚した。
教え子に対するわいせつ行為で処分された教職員は増加している。文部科学省によると、2016年度に懲戒や訓告などの処分を受けた全国の公立学校の教職員は、統計を取り始めた1977年度以降で最多の226人。うち半数近くは勤務先の子どもが被害を受けていた。5年前(11年度)と比べると、処分者は1・3倍(56人増)に増えた。 16年度の処分事案のうち、35%(80人)は教室や保健室、体育館などの校内での行為だった。前年度の23%から大幅に増えた。 子どもへの性暴力に詳しい大妻女子大人間生活文化研究所の徳永恭子研究員によると、校内の死角で被害に遭うケースが多い。徳永さんは「とくに小学生は被害をどう伝えていいかわからず、黙っているケースも少なくない」と指摘する。 京都府内では16年度の処分…
京都地裁(御山真理子裁判官)は25日、勤務する小学校の7人の女児にわいせつ行為をしたとして起訴された元講師の男(28)に対し、懲役9年(求刑・同10年)を言い渡した。子供にとって安心できるはずの学校で、「魂の殺人」とも言われる性暴力はなぜ繰り返されたのか。事件発覚後、京都府教委は、所管する全校で研修を実施するなど再発防止に取り組むが、実効性の高い対策は見いだせていないのが実情だ。【飼手勇介】 判決によると、被告は小学校の屋上やトイレなどで、女児7人の服を脱がせて動画撮影をしたり、下半身を触ったりした。判決は女児に口止めしたり、嫌がられると別の女児を狙ったりと約2年2カ月で9件もの犯行を重ねたことを挙げ、「刑事責任は重い」と厳しく非難した。
幼い頃に2度、性暴力の被害を受けた心理カウンセラーの女性が、親子向けの性教育セミナーを始めた。「私のように苦しむ子どもを無くしたい」。性の問題をタブー視せず、正しい性知識で身を守って欲しいと願う。 「プライベートパーツと呼ばれる口、胸、性器、肛門(こうもん)は、命をつなぐ大切な場所。勝手に触ろうとする人には『やめて』『嫌だ』と言って、逃げて良いです」 昨年12月、大阪市西区であったセミナーで、大阪府吹田市の柳谷和美さん(49)が呼びかけた。参加者は、未就学児や小学生とその母親ら計26人だった。 柳谷さんは、自らの出産シーンの動画を映し、男女の体の違いや子どもが生まれるまでの流れなどを説明。望まぬ妊娠や出産を防ぐため、「人を好きになることはとてもすてきなこと。でもセックスだけが愛情表現ではない」と訴えた。 親子を対象にするのは、性の…
厚生労働省は婦人保護施設に母親と同伴して入所する18歳未満の子どもが増えていることを受け、2018年度から同伴児に対応する職員の配置を増やす方針だ。現在、最大で3人配置できる措置費の加算があるが、これを5人に増やす。18年度の予算要求に盛り込んだ。しかし、現在もこの加算は十分に活用されていない。施設側は人員配置基準の改善など抜本的な見直しを求めている。 同伴児をめぐっては、児童相談所の関与が薄く、通園・通学もできない「宙に浮いた存在だ」とする指摘がこれまでもあり、09年度から措置費に加算が設けられた。 昨年12月には性暴力被害者支援に関する与党のプロジェクトチームが、同伴児の問題を含め、婦人保護事業を抜本的に見直すよう提言をまとめた。 婦人保護施設は売春防止法に基づく施設。売春するおそれがあるなど保護の必要な女性が措置により単身で入所することが基本だ。16年4月現在、全国に48施設ある。
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毎日新聞の情報公開請求に愛媛県が開示した社会福祉法人などへの指導監査結果通知書の一部=松山市で2017年9月6日、花澤葵撮影 愛媛県南予地域の社会福祉法人が運営する児童関連施設で児童間の性的トラブルが起きていたのに、施設が対応を怠ったために2度目の被害が起きていたことが、県への取材などで分かった。また、県内の別の社福法人は「経費」で政治資金パーティー券を購入していたことも判明。県はいずれについても早急に改善するよう指導した。 毎日新聞の情報公開請求に県が開示した2016年11月~今年7月の社福法人と施設の「指導監査結果通知書」などによると、南予地域にある児童関連施設では15年度に児童同士の性的トラブルが起きた。その後、児童が施設側に相談したにもかかわらず、児童の部屋を変えるなどの十分な対応をせず、約4カ月後に2度目の被害が起きたという。
教職員の研修でLGBTへの理解を訴える井上鈴佳さん(左端)=奈良県橿原市で2017年8月24日、望月亮一撮影 関西の学校回り、自身の体験を包み隠さず語り、理解訴える 性的少数者(LGBTなど)の子供たちを救いたい--。元養護教員で自身がレズビアンと公表している井上鈴佳さん(27)=大阪府大東市=が、教育現場で児童生徒や教師にLGBTへの理解を訴え続けている。関西などの学校を回り、「教育現場を知っている当事者の私だからこそ、伝えられることがある」と自身の体験を包み隠さず語っている。 奈良県橿原市立耳成(みみなし)西小学校で今月24日、教職員約30人を対象に開いた研修会。井上さんは「性的少数者は国内で左利きの人と同じ割合」というデータを紹介し、LGBTを取り巻く現状を解説した。「いないのではなく、見えていないだけなのです」
スマートフォンの無料通信アプリで募った客に当時13歳の女子中学生(14)を引き合わせて児童買春を斡旋したとして、警視庁少年育成課は、児童福祉法違反(淫行させる行為、有害支配)と児童買春・ポルノ禁止法違反(周旋)などの疑いで、住所不定、無職、山下有瑠人(あると)容疑者(21)を逮捕した。 逮捕容疑は平成28年9月ごろ、売春させる目的で女子生徒を友人の30代会社員男=同法違反罪で逮捕=の神奈川県内の自宅に住まわせ、アプリで客を募集。別の30代会社員男=同法違反罪で罰金刑=の横浜市内の自宅でわいせつな行為をさせたとしている。「売春させる目的でなく、家出をしていたので泊めた」などと容疑を否認している。 同課によると、山下容疑者は、同法違反容疑で6月に逮捕された千葉県市川市の三浦一成市議(29)=釈放=と友人にも、この女子生徒を引き合わせて児童買春を斡旋していたとみられる。 山下容疑者と女子生徒は2
教え子の小学生への強制わいせつ容疑で、愛知県警に逮捕された臨時講師の男の公判が名古屋地裁岡崎支部で進んでいる。男は4年前にも別の小学校で性犯罪を起こし、停職処分を受けていた。男が名前を変えたこともあり、情報が共有されなかったという。 男は大田智広被告(30)=愛知県刈谷市。勤務していた同県知立市の市立小学校のトイレで5月、低学年の女子児童にわいせつ行為をした疑いで逮捕、起訴された。その後、別の児童計4人へのわいせつ容疑でも再逮捕されている。8月には懲戒免職処分を受けた。 8月の初公判では起訴内容について、「間違いありません」と認めた。検察側は、証拠調べの中で大田被告が「年少者に性的関心があった」と話したことを明らかにした。 大田被告は、知立の事件の前にも児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童ポルノ提供)の罪で罰金の略式命令を受けていた。埼玉県内の小学校に勤めていた2013年、児童ポルノ画像を
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