文科省はこのほど、「不登校児童生徒への支援の在り方について」と題する通知を、藤原誠初中教育局長名で、全国の都道府県・政令指定都市教委教育長などに発出した。 同省の不登校に関する調査研究協力者会議による今年7月の最終報告に基づき、不登校児童生徒への支援についてまとめた内容。基本的な考え方と、学校、教委に充実させてほしい支援策を盛り込んだ。 支援の基本的な考え方については、「学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立するのを目指す必要がある」とし、「場合によっては教育支援センターや不登校特例校、ICTを使った学習支援、フリースクール、夜間中学での受け入れなどを活用し、社会的自立への支援を行う」とした。
今春、上智大学(東京都千代田区)に入学した紗亜耶(さあや)さん(18)。“早慶上智”と評される難関私大に一発合格したが、進学校どころか高校自体を卒業していない。「小学校3年生から不登校でした」振り返る表情は明るいが、それなりに遠回りを経験した。英語、インド英語、フランス語を操り、調理師免許を持つ。キャンパスには薄桃色のランドセルで通い、携帯電話は持っていない。現在、社会福祉学科で社会福祉士と精神保健福祉士の資格取得を目指す。「学校は受け入れられやすい人が決まっている。なじめなくても自分に問題があると感じなくていい」と語る背景とは。不登校のきっかけは「Lunch」神奈川県横浜市出身。一般的なサラリーマン家庭だったが、「これからはパソコンと英語だ!」という母親の教育方針により、1歳上の兄とともに幼児期から英語に親しむよう育てられたという。「テレビもジブリのビデオも兄との会話もすべて英語。父と母
『ルポ 保健室 子どもの貧困・虐待・性のリアル(朝日新書)』(秋山千佳/朝日新聞出版) 保健室で保健の先生と話すと、なんだか安らぐ。なんでも聞いてくれそうな雰囲気が嬉しい。今も昔も、学校にいる生徒たちの緊張がちょっと解きほぐされる場所、それが保健室だ。 『ルポ 保健室 子どもの貧困・虐待・性のリアル(朝日新書)』(秋山千佳/朝日新聞出版)によると、近年、保健室の様子が変わってきているようだ。この頃、マスクを常に装着している若者をよく見かける。マスク着用は、2009年の新型インフルエンザ騒動で一気に広まった。騒動はとうに終息し、風邪でもないのにマスクで顔を隠す理由は、自尊感情が低く、顔をさらすのが怖いからではないか、といわれる。そんな“マスク依存症”の生徒たちの中で、自宅から装着せず、毎日わざわざ保健室にマスクをもらいにくる生徒が増えているというのだ。本書によると、生徒にとってマスクは保健の
同じ柔道部に所属していた同級生から約1年半にわたって、いじめを受け、うつ状態や心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、福島県内の私立高校に通う元柔道部の男子生徒(3年)が同級生の男子生徒3人に対し、慰謝料などの損害賠償を求める訴えを福島地裁に起こしたことが分かった。 提訴は8月16日付。訴状などによると、生徒と同級生3人は2014年、柔道部の特待生として入学。しかし、生徒は入学間もない4月から、めがねを壊されるなど嫌がらせを受け始め、柔道部の練習後に顧問や上級生のいないところで平手打ちをされるなど、暴行を受けるようになった。 また、通信アプリ「LINE」を通じて「奴隷くん」と中傷され、指定のアプリをダウンロードするように指示されたり、「死ね」「ころすよ」などのメッセージを繰り返し送られたりしたという。 訴状では、いじめが学校内だけでなく、LINEなどSNS(ソーシャル・ネットワー
小学生による暴力行為が増えている。2014年度は全国で1万1千件以上が報告され、過去最多を更新。文部科学省によると、感情をコントロールできない子どもが増えていることなどが背景にあるという。全国の件数の17%を占め、最多レベルの大阪府では、半減を目指した対策が始まっている。 専門家ら派遣、チームで対応 「こんにちは。元気でやってる?」。1学期末の7月、大阪府南部の郊外にある小学校で、巡回していた60代の校長経験者の男性が男児に声をかけた。そばに寄ってきた男児はうれしそうに大きくうなずいた。 同校では昨年度、児童が机を倒して友達にぶつけたり、棚を壊したりする暴力行為が相次ぎ、授業がたびたび中断。校長は「嫌なことがあるとすぐカーッとなってもめるケースもあったが、人手不足ですぐに対応できなかった」と話す。 校長経験者の男性は、府教委から暴力を減らすために派遣され、4月から週4日、この学校に通う。全
北海道七飯(ななえ)町の山中で行方不明になり、3日に6日ぶりに保護された北海道北斗市の小学2年、田野岡大和(やまと)君(7)が通う市立浜分(はまわけ)小学校(児童数935人)は、大和君や姉を含む児童らの心のケアに力を入れる方針だ。大和君が行方不明になってから体調を崩した児童もおり、対策が必要と判断している。 北海道教育委員会は北斗市教委の要請を受け、大和君が行方不明になってから3日後の5月31日に同校にスクールカウンセラー1人を配置。3日からは常時3人のカウンセラーが滞在する態勢をとり始めた。体調を崩したり、心理的なストレスを抱えたりする児童がいるためだ。同校3年の女児の母親(38)は「口には出さないが、娘の表情がずっと暗かった」と話す。 同校では5日に運動会が予定されていたが、5月31日に延期を決定。児童の心理状態が落ち着くのを待つため、「少なくとも6月中は開催しない」(工藤達也校長)と
「いじめ容認度」最高は神奈川、最低は宮崎 5月も半ばですが、いかがお過ごしでしょうか。いわゆる「5月病」がはびこる時期ですが、学校の教室では別の病気が出てくる時期です。 それは「いじめ」です。 そろそろクラス内のカーストが定まり、ターゲットを決めて皆でいじめ始める、なんてことが起きてきます。大学の授業で、学生さんに学校体験レポートを書いてもらったことがありますが、「5月頃から、クラスでいじめが始まり……」という記述が数多く見られます。 「いじめのターゲットになりはしないか」 今の時期、学校の教室では、こういう不安におののいている児童・生徒も少なくないでしょう。新緑の季節ですが、教室の中は不安と緊張が渦巻く「灰色」の空間なのかもしれません。 さて、社会問題にまでなっている「いじめ」ですが、数でみてどれくらい起きているのでしょう。いじめは思春期で多発しますが、文科省の統計によると、2014年度
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