女性が男性から被害を受けるものと考えられがちだった性暴力。昨年7月の刑法改正で、男性が受けた強制性交も罪に問えるようになった。岐阜県は新年度から性被害を受けた男性への支援を本格化。声を上げられずにいた男性被害者の救済を目指す。 男性相談員を配置、泌尿器科とも連携 岐阜市にある「ぎふ性暴力被害者支援センター」。神谷淳彦さん(70)は、今月から同センターの相談員になった。不定期でセンターの電話窓口に待機し、性暴力の被害者から相談を受ける。 13年間、県公安委員会が認定する「ぎふ犯罪被害者支援センター」の犯罪被害相談員などとして被害者の相談にのってきた。性被害者に対しても「一人一人に寄り添い、丁寧に話を聞きたい」と気持ちを新たにする。 「ぎふ性暴力被害者支援センター」には、神谷さんのような男性相談員が新年度から6人配属され、第2、第4火曜日の午後4時から8時まで相談を受ける。これまでは女性ばかり
性暴力を受けた男性が被害を相談しやすいように、岐阜県は被害者からの相談を受け付ける「ぎふ性暴力被害者支援センター」(岐阜市)に13日から男性相談員6人を配置する。まずは3月27日までの試行的な取り組みだが、その後も男性相談員による対応を続ける考えだという。 男性が相談に応じるのは第2、4火曜日の午後4~8時。相談窓口は(058・215・8349)。女性相談員が電話を受けたあと、相談者の意向を確認したうえで、必要に応じて男性相談員に取り次ぐ。これまで相談員は33人いたが、すべて女性だった。 男性の性被害については、昨年7月に施行された改正刑法で、従来の「加害者は男性、被害者は女性」という固定化した価値観に基づく考え方が撤廃され、性別に限らず対応することが求められている。このため県は、男性被害者からの相談が増える可能性があると想定している。 県によると、昨年度にセンターに相談があった被害者38
今月12日、水戸市を中心に活動する女性アイドルグループの「水戸ご当地アイドル(仮)」の元メンバーの女性が、運営責任者の男性からセクシュアルハラスメント・パワーハラスメントを受けたことを訴えているというニュースが報道された。 報道によると、今回被害を訴えたうめさんは運営責任者の男性から夜中に呼び出され飲酒をさせられたり、イベント後に過呼吸で倒れた際、男性に担がれ胸を触られたりしたそうだ。後日「(胸が)柔らかかった」などと言われたのだという。また、「練習場所にわいせつな本が置かれたことがあった」とも話している。 これらの訴えに対して男性は、飲酒を強要した覚えはないが、夜中に未成年を呼び出したことや結果的に飲酒をさせた責任を認め「深く反省している」と述べる一方、「『(胸が)柔らかかった』と言ったかどうかは覚えていない」、わいせつな本については「知人の見舞いに持っていく物だった」とも述べているとの
玄野武人さん「性別規定なく画期的」 暗器使いさん「今まではないがしろ」 性犯罪を厳罰化する改正刑法が13日に施行された。改正は1907(明治40)年の刑法制定以来初めてとなる。その柱は、「加害者は男性、被害者は女性」という性差の撤廃▽法定刑下限の引き上げ▽被害者の告訴がなくても起訴できる「非親告罪」化--など。改正によって何が変わるのか。残された課題は。「許さない~性暴力の現場で」の第2部は、被害者や関係者の声を基に探る。 1回目は、第1部(昨年11月30日~12月5日、計5回)で取り上げた男性の性暴力被害者2人(玄野武人さん、暗器使いさん)と担当記者の対談から。(この連載は鈴木敦子、山本有紀が担当します)
男性の性暴力被害、認識を=「信じてもらえず」-刑法改正案、閣議決定 閣議決定された刑法改正案には、女性だけでなく、男性も性暴力被害の対象とする内容が盛り込まれた。法改正を求めてきた支援団体からは歓迎の声が上がる一方、周囲の無理解に苦しんできた被害者の男性は「法改正だけでは何も解決しない」と訴えた。 関東地方に住む男性(37)は、小学生のころからいじめを受け、中学に入るとエスカレートした。裸にされ、刃物を性器に突き付けられる。「早く射精しないと切り落とす」と笑いながら脅された。 中学1年の夏、いじめグループの中心だった中3の先輩から部室に呼び出され、初めて性暴力の被害を受けた。「人に言っても誰も信じないし、もっとひどい目に遭わせるからな」。口止めされ、言いようのない恥ずかしさと心の痛みを感じた。 性暴力は先輩が卒業するまで続いたが、家庭や学校に相談できる相手はいなかった。成人してから、
【デスク日記】「事件は家庭内の問題として処理します」男性被害のDV、氷山の一角 2015/7/30 17:26 (2016/11/10 17:36 更新) 「事件は家庭内の問題として処理します」。男性に検察官はこう告げたという。これで男性が訴えた配偶者からの傷害事件(DV事件)は事実上不起訴となった。 ここ数年、男性が被害者となるDV事案が急増している。警察庁の統計によると、DVの認知件数は2014年に過去最多を記録。そのうち男性被害者の割合は、10年は2・4%だったが、14年は10%を超えた。ところが、男性のプライドの問題に加え、「被害者=女性」という認識が行政にも警察にも強く、被害を訴えるハードルは高い。冒頭の男性の被害届も警察は受け取りを渋り、加害者には「こちらも困っている」などと告げている。10%という数字も氷山の一角だろう。 DVの原因の一つは、社会的なストレスとされる。女性の社
ニュースの新着順一覧 日弁連臨時総会、小林会長「不祥事は弁護士自治の根幹揺るがす」 国選弁護や再審弁護の費用援助など5議案可決 日弁連は12月8日、臨時総会を開き、国選弁護や刑事の再審弁護活動に対する援助など全5議案がすべて可決... 2023年12月08日 18時57分
配偶者や恋人からの暴力(DV)に悩む男性の相談が、県内で増えている。県は1日、男性と性的少数者(LGBT)専用の無料電話相談を始めた。男性の臨床心理士が相談に応じる。 県男女共同参画推進課によると、県内10か所の配偶者暴力相談支援センターに寄せられる男性からの相談は、2011年度の23件が14年度には59件に増加。身体的な暴力、無視したり罵倒したりする精神的暴力など、DV被害の内容に大きな男女差はないという。 センターに悩みを打ち明ける大半は女性だが、男性も相談しやすいように専用の窓口を設け、新たに男性の臨床心理士を採用した。民間施設を活用した緊急避難の対応も可能という。 同課は「男性の被害に対する理解はまだ進んでいないが、一人で悩まずに相談してほしい」としている。 相談窓口は次の通り。 ▽男性DV被害者のための相談ホットライン(水・木曜の午後5~8時、金曜の正午~午後4時、092・571
福岡県は、男性や性的少数者(LGBT)のドメスティックバイオレンス(DV)被害を減らす目的で、専用相談窓口を平成28年度に開設する。男性のDV被害は全国的に急増しているが、「職場や親に知られたくない」「恥ずかしい」と泣き寝入りしたり、周囲に相談できないケースも多く、性別に関係なく支援体制を整える。 県の相談所に、男性の専門相談員を配置する。男性は週3回、LGBTは月2回、電話相談を受け付け、重大な事件に発展する恐れがあるなど緊急時には一時的に保護し、自立支援にも取り組む。 自治体や民間の相談員向けに、男性やLGBT被害者の対応などに関する研修も実施する。28年度当初予算案に計445万円を盛り込んだ。 県によると、LGBTのDV被害専用窓口は都道府県レベルで初めてという。 警察庁によると、26年のDV被害認知件数は全国で5万9072件だった。うち男性の被害は10・1%の5971件で、割合は2
介護疲れなどが原因とされる殺人や無理心中の約7割は男性が加害者であることが、日本福祉大の湯原悦子准教授(司法福祉論)の調査で分かった。過去18年間に国内で起きた事件の記事データベースから分析した。在宅介護の担い手の約7割は女性とされているが、女性よりも男性の方が介護によって追い詰められやすいことをうかがわせた。【渋江千春、向畑泰司】 湯原准教授は今年1月、1998〜2015年の18年間に、60歳以上の被介護者が家族・親族に殺されたり、死亡させられたりした事件を毎日新聞など30紙の過去記事を基に集計した。介護による疲れや将来への悲観が背景として疑われるケースに絞っている。 この記事は有料記事です。 残り1622文字(全文1911文字)
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