信州大学付属病院の医師を中心とするグループは、在宅で使用する人工呼吸器の警報データを共有できるネットワークシステムの開発に乗り出す。16日、総務省の研究推進事業として採択された。3年計画で実施する。実用化できれば、家族や病院などが遠隔地でも警報情報を瞬時に把握し、緊急時の即時対応が可能になるという。吉川健太郎医師を代表とするグループが、警報情報を外部に発信できるようにするほか、データ形式も整備
「障害児と共学」実践研究へ=インクルーシブ教育、人材育成-東大と大阪市立大空小 障害の有無にかかわらず子どもたちが同じ場で学ぶ「インクルーシブ教育」について、東京大大学院教育学研究科が実践的な研究に乗り出す。10年以上にわたり積極的に活動している大阪市立大空小学校と連携協定を結び、授業や指導、学校運営などを共同で研究する。また、教職員の人材育成にも活用する方針だ。 多様性の尊重や助け合いといった意識を育てる効果が期待されるインクルーシブ教育については、文部科学省が推進政策を取る。同省は子どもの状況に応じた支援を自治体に要請している。 ただ、普通学級に在籍しながら別室で「通級指導」を受ける小中学生は2016年度に約10万人と、制度が始まった1993年度の8倍に及ぶ。発達障害と判断される事例の増加が主な要因で「学びの場の分離が進んでいる」との指摘もある。 大空小は「すべての子どもの学習権を保障
国土交通省は、ICTを活用した歩行者移動支援の推進を図るため、歩行空間における段差や幅員、勾配などのバリアフリーに関する情報を入力し、データ化することができる「歩行空間ネットワークデータ整備ツール(試行版)」を無償で提供する。 国土交通省では、ユニバーサル社会の構築に向けて、車いす利用者が通行できるバリアフリールートをスマートフォンを通じてナビゲーションするなど、ICTを活用した歩行者移動支援サービスの普及展開を目指してバリアフリー・ナビプロジェクトを推進している。 これらサービスを実現するためには、歩行空間における段差や幅員、勾配など、バリアフリーに関する情報をデータ化する必要がある。今回、タブレットなどの携帯情報端末上で歩行空間のバリアフリーに関する情報を入力し、歩行空間ネットワークデータとしてデータ化することができる「歩行空間ネットワークデータ整備ツール(試行版)」を提供する。 従来
◇福井大に部門 不足解消へ 幼少期から青年期まで子どもの精神障害を専門的に診察、治療できる医師を養成する部門が福井大に設置され、9月から本格的に始動した。発達障害をはじめとする複雑な病状を見極めるため、実績のある医師と臨床心理士を招き、国内有数の訓練・指導体制を整えたという。設置期間は今年度から5年間で、専門医不足の解消を図り、診療と研究の成果を広めていく。(矢沢寛茂) 日本をはじめとする先進国で発達や情緒に問題のある子どもは増えており、文部科学省が2012年に行った全国調査では、「学習面または行動面で著しい困難を示す」とされた小中学生の割合は6・5%いた。教育や医療の専門家の間では、この回答に含まれないが、発達に関わる様々な問題を抱える子どもが多いと指摘されており、30人学級に2、3人、全体の15~20%程度いるとの意見もある。 一方で、日本児童青年精神医学会の認定医は全国でも325人に
児童精神科医で川崎医療福祉大客員教授の佐々木正美さん=享年81=が6月に亡くなった。教育書「子どもへのまなざし」(福音館書店)など子育てに関する多数の著作を残したほか、自閉症の療育プログラムを米国から導入して発達障害への理解を広める活動に情熱を傾けた。 子と親に寄り添い、包んだ 「では一番後ろに座っている方、ご質問をどうぞ」 佐々木さんの家族によると、他界する約2週間前、都内の自宅で眠っていて、そんな寝言をつぶやいた。血液を正常に作れなくなる「骨髄線維症」と診断されたのは7年前。病状が悪化し、昨年3月で最後になった講演の夢を見ていたようだったという。 自閉症児とその親に寄り添いながら、診察室外で力を注いだのは子どもと接する人たちへの勉強会だった。長年、佐々木さんと子育て支援活動をしてきた神奈川県の「子育て協会」代表の杉浦正明さん(70)は、「子どもの心理や育児する親の心構えを柔和な表情で穏
豊島区と立教大学(同区)は、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、障害者スポーツの推進などで連携する協定を結んだ。 日本身体障がい者水泳連盟などと連携、同大室内温水プールを利用するなどして、障害者水泳指導者の育成を進める。また、スポーツ社会学が専門の松尾哲矢・同大教授が監修する「としまスポーツ応援団ガイドブック」を作成し、障害者スポーツ選手らを支えるボランティアの育成にも取り組む。 高野之夫区長は「あらゆる人がスポーツで輝く未来を築きたい」、立教大の吉岡知哉総長も「区民と学生と教職員で盛り上げていきたい」などと話した。
【横浜】トーキンオール(川崎市川崎区、吉田基一社長、044・333・0012)は、明治大学や神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)などとの産学官連携で6輪機構の「ハンドル型電動車いす」を開発した。搭載したセンサーにより障害物や段差を認識し、自動で停止や回避する。今後神奈川県の「さがみロボット産業特区」などを活用し実証実験を行う。2018年度の製品化を目指す。 「ハンドル型電動車いす」はそれぞれ独立した関節を持つ6輪機構のため段差に強く、転倒しにくい。車体前方の二つの2次元レーザーセンサーで前方約270度の障害物や軌道を調べながら進む。この「パスプランニング」機能は明治大学理工学部の黒田洋司教授の指導を受けた。 大きさは全長1200ミリ×幅700ミリ×高さ1090ミリメートル。速度は時速6キロメートルでJIS(日本工業規格)の規格範囲に準拠した。鉄製で重さは約100キログラム、最大走行
スポーツ庁、一般社団法人日本ボッチャ協会等の主催による、第2回全国特別支援学校ボッチャ大会 「ボッチャ甲子園」が、7月21日に港区スポーツセンターのメインアリーナで開催されました。 障がい者スポーツであるボッチャの普及活動および選手の育成に力を入れている、本学理学療法学科では、学生47名がボランティアとして参加しました。そのうち、日本ボッチャ協会公認上級審判員を取得している24名は審判員として競技運営に協力し、日本理学療法士協会半田一登会長をはじめ現役の理学療法士等とともに大会をサポートしました。 大会は、北海道から沖縄まで全国36校の特別支援学校の生徒140名が熱戦を繰り広げ、ボランティアの学生達も一挙手、一投足に集中して審判をしたり、生徒の車椅子誘導や受付、競技進行補助などを行ったりしました。 審判員を務めた学生からは、「参加生徒の皆さんのレベルがとても高く、手に汗握る展開に興奮しまし
ALS(筋萎縮性側索硬化症) の研究支援を目的に、バケツに入った氷水を頭からかぶるか、ALS協会に寄付をするかの運動で、寄付金やALSの認知度向上に貢献した。 神経筋疾患に対する有効な治療法がないなかで、医療現場では数少ない治療薬や対症療法、緩和ケアやリハビリテーションが行われている。 呼吸障害は、ALSや筋ジストロフィーなど様々な神経筋疾患に共通しておこり得るもので、死に至らしめる主要原因と言われる。そのため呼吸のリハビリテーションは、長年研究されている分野の1つである。 ALSなど神経筋疾患患者のための呼吸のリハビリ機器を開発した国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)の理学療法士、寄本恵輔さん(40歳)と有明陽佑さん(30歳)に話を聞いた。 製品化に当たってはカーターテクノロジーズ(埼玉県川口市、関根敦社長=43歳)と共同で開発、製品は同社が販売している。 呼吸のリハビリテーシ
失語症の患者様向け訓練ソフトや、Pepperアプリの開発を行っている株式会社ロボキュアは、国立大学法人千葉大学との共同研究により、言語訓練用アプリ『ActVoice for Pepper』を開発。 2015年12月より約1年半にわたり国保直営総合病院君津中央病院(以下、君津中央病院)の協力を得て、同アプリを活用した「失語症者に対するリハビリの臨床試験」を行っていたが、この度、日本コミュニケーション障害学会学術講演会において君津中央病院の言語聴覚士、村西幸代氏により、同試験により有意義な改善が確認できたとの発表が行われた。 今回の実験にて呼称訓練の時間と呼称回数を調べ、呼称検査の結果から「訓練効果」「訓練効果の持続性」「般化の比較」を行ったところ、訓練効果と持続性は4例中3例に「有意な改善が認められた」としている。 また、般化の比較に関しては、一部臨床的には般化がみられたと感じるものもあった
亜細亜大学は6月、障害者をサポートする学生ピアサポーターの習熟度を深めるワークショップを開いた。実際にアイマスク体験や手話学習などを通して障害への理解を深め、建学の精神「自助協力」を体現。ダイバーシティー(多様性)のあるキャンパス作りに尽力している。 ピアサポーターとは、障害の疑似体験や感情を共有し、ピア(仲間)として支え合う活動をする人のこと。同大では十数年前から、学生とともに手話通訳や筆記補助など、ろう学生に対する学習支援に取り組んできた。昨年4月に障害を理由とする不当な差別を禁止した「障害者差別解消法」が施行されたことをきっかけに、学内に「障がい学生修学支援室」を開設。職員と教員支援コーディネーターの2人態勢で障害者の学習・生活支援をし「居場所ができた」など安心する声が寄せられている。 支援室は6月、支援室に登録している学生ピアサポーター76人に、5回の活動説明会とワークショップ「ア
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