企業に義務付けられている障害者の雇用割合(法定雇用率)が4月から引き上げられる。新たに精神障害者の雇用分も入れて法定雇用率を算出するようになるからだ。身体障害者に比べて安定して働くことの難しい精神障害者。その働く場を広げる取り組みが進んでいる。【鈴木直、下桐実雅子】 病院、適職探し支援 東京都八王子市の堀川正志さん(62)は、うつ病を抱えながら都内の大手スーパーに勤める。担当は、前の仕事の経験を生かせるポップ(店内に掲示する販売促進文)づくりやブログの更新。働き始めて5年半がたち、今では趣味の写真の腕前を買われて地域の風景写真のギャラリーも任され、客から好評だ。 「できる仕事は何一つないと思っていた。病気が治ってから就労を考えていたら、いまだに仕事はしていなかっただろう」。堀川さんは笑顔で語る。
4月からの精神障害者の雇用義務化と法定雇用率の引上げを前に、厚生労働省は、経団連、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会の3団体に対し、障害者の雇用促進と職場定着に向けた取組みを要請した。牧原秀樹副大臣が、各団体の専務理事に要請書を手交している。 要請書では、雇用義務のある企業の3割程度が障害者を全く雇用していなかったり、精神障害者などの職場定着が難しいケースがあるなど、様ざまな課題が残されていると指摘。…
日本ユニシスの子会社「NULアクセシビリティ」(東京都)は4月から、徳島県内在住の障害者5人を完全在宅勤務の契約社員として雇うと発表した。県内で生活しながら、ICT(情報通信技術)機器を活用してウェブページの検査業務などに携わるという。 雇用される5人は30~50代。重度の身体障害者が3人、精神障害者と知的障害者が各1人で、障害者のテレワークによる自立を目指すNPO法人「JCIテレワーカーズ・ネットワーク」(徳島県鳴門市)の会員。いずれも民間企業が認定する検査員の資格を持っている。 15日に徳島県庁で会見したNUL社の寺嶋文之社長は「通勤は難しくてもテレワークなら働ける人たちを雇用できた」と話した。徳島県内で事業展開する理由について、「社員に不測の事態が起きた場合には、JCIに対応を依頼できる」と説明した。NUL社は今年2月の設立。2020年までに障害者10人の雇用を目指しており、障害者雇
7割が収益で賃金払えず=障害者雇用事業所を調査-厚労省 厚生労働省 厚生労働省は14日、雇用契約を結んで障害者の就労支援を行う「就労継続支援A型事業所」の約7割が、事業収益だけでは障害者の賃金を支払えない状態になっていると発表した。賃金の不足分は国や自治体からの補助金を充てているケースが多く、事業所の厳しい経営実態が明らかになった。 厚労省は、全国の自治体を通じA型事業所の2016年度の経営状況を調査。経営実態が把握できた全国の事業所3036カ所のうち、71%の2157カ所で賃金が事業収益を上回り、経営改善計画の提出が必要としている。(2018/03/14-18:40) 【経済記事一覧へ】 【アクセスランキング】
名古屋市は1月、障害者向けに独自で実施している地域活動支援事業の一部の利用要件を見直した。障害者が自立して社会で生きる力をつけるための施設利用の制限につながるとして、生活支援団体などは9日、見直し撤回を求めて、河村たかし市長宛ての要望書を市に提出した。 市が1月10日付で利用要件を見直したのは、地域活動支援事業のうち「デイサービス型地域活動支援事業」。障害者が別の事業所で働いた後、夕方に利用するケースが多い。施設で給食や入浴のサービスを受け、絵や手芸などの創作活動や就労訓練をしている。 市によると、登録するデイサービス型施設は37施設。別事業所での就労とデイサービス型事業を同日利用するのは月に約100人。
加藤厚労相、手話交え答弁=参院予算委 参院予算委員会で答弁する加藤勝信厚生労働相=5日午後、国会内 加藤勝信厚生労働相が5日の参院予算委員会で、手話を交えながら「障害のある人々の支援をしっかり頑張ってまいりたい」と答弁する場面があった。障害者の雇用問題をめぐり無所属クラブの薬師寺道代氏が手話を使って質問したのに呼応したもので、場内からどよめきと拍手が起こった。 加藤氏は、能力や障害特性に応じた人員配置、勤務環境整備などの施策を進めていると説明した後、結びの決意表明で手話を使った。質問で手話を用いることの多い薬師寺氏は「障害者の皆さまにとって力強いメッセージとなった」と評価した。(2018/03/05-18:45) 【経済記事一覧へ】 【アクセスランキング】
左から山本博司会長代理(公明)、川崎会長、石橋事務局次長、穴見事務局長 超党派の国会議員による「障害者の安定雇用・安心就労をめざす議員連盟」が2月27日、設立総会を開いた。会長には自民党の川崎二郎・元厚生労働大臣が、事務局長には穴見陽一氏(自民)が就いた。障害者にとってインクルーシブ(包摂的)でディーセント(働きがいのある人間らしい)な雇用・就労の場を確保するため、雇用と福祉の施策を一体的に立案・展開できる体制づくりを目指す。 略称は「インクルーシブ雇用議連」(与野党の議員約80人)とする。当面は障害者雇用の実態(就業率、雇用形態など)を調査するよう厚労省に求める。川崎会長は「議連にする以上は法律を作るのか議論する。提言できる議連にしたい」とあいさつした。 議連の前身となる勉強会は2016年11月に発足。17年12月20日には加藤勝信・厚労大臣に対し、「福祉と雇用の施策を横断的に審議できる
NPO法人による障害者向けの就労支援について、国税庁が「原則、収益事業で納税義務がある」との見解を示した。全国の小規模作業所に不安が広がり、課税を不服として争う法人もある。作業所などの全国団体「きょうされん」(事務局・東京)は近く、国税庁長官に撤回を求める。 国税庁は昨年7月、ホームページで見解を発表。こうしたNPO法人は障害者と契約して役務を提供し、利用料を受け取る「請負業」との判断を示した。 税法上、収益事業は「継続して事業場を設けて行われるもの」で、請負のほか、物品販売、製造など34業種に限られる。国税庁法人課税課の担当者は「NPO法人の障害福祉サービスは以前から収益事業だが、複数の税務署から相談があり、見解を示した」と話す。 広島市の「つくしんぼ作業所」は国などの給付を受け、就労困難な知的障害者が家にこもらないように働く場を提供。19~46歳の男女18人がクッキーを作るなどしている
クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。 マイクリップ一覧へ 愛知労働基準協会(大野智彦会長)は、愛知県内企業の人事労務担当者ら約40人を対象に、障害者を積極的に活用している中電ウイング㈱への見学会と、障害者雇用促進に向けた講習会を開催した。 見学会では、障害に応じた仕事の配分方法などについて視察。たとえば、知的障害者は、包装などの軽微な定型業務に配置している。 続く講習会では、福島大学の長谷川珠子准教授が、合理的配慮に関して説明した(写真)。「配置転換については、環境変化が症状を悪化させる恐れがあるため、主治医などの意見を踏まえることが求められる。また、健常者以上に業務上の必要性が重視される」とした。
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