経済学者青木泰樹氏の著書「経済学とは何だろうか」は、私たち現代経済学を鳥瞰したい人に、興味深い観点を提供してくれています。 青木氏は「経済学とは富士山のような単独峰とは捉えてはならず、山塊のようなものと捉えるべき」と説いています。その山塊も、ふたつの山塊といえるようです。 経済学体系の山塊のひとつは静態理論系、もうひとつは動態理論系。 これは主流派経済学内での静学・動学とは全く異なる概念です。 静態理論系と動態理論系の経済学を対比させてみたのが表1です。 表1 経済学体系の対比 出所:青木泰樹「経済学とは何だろうか」表2-1に、シェイブテイルが具体的経済学者・経済学の行を追記したもの。 *1 静態理論系と動態理論体系では色付けした部分に差がある。 また学問の目的が、静態理論では「理論的厳密性の追求」、動態理論では「現実経済の分析」とされているところに注意。 新古典派経済学でいう静学・動学と