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webnovelに関するshimomurayoshikoのブックマーク (7)

  • 境界のない、自在な | VG+ (バゴプラ)

    第二回かぐやSFコンテスト読者賞受賞作品 「境界のない、自在な」 興奮してはしゃいでいたミミも、手術室の無機質さ、医者たちのくぐもった眼をのぞいて、少し怖くなったのか、唇をぎゅっと窄めた。医者の手が固いくちをこじあけてチューブを差し込む。麻酔やその他の、無学な私には計り知れない薬品が全身にまわると、医者たちは慣れた手つきでミミの皮膚を剥がしていった。さきほどまで小さな城壁だった唇さえ、すみやかに切除される。筋肉だけになった娘の姿は、人体標でもみせられているようで、血縁や親心とか、そういう感情を飛び越えて、生理的にみていられなくなり待合室に戻った。曽祖母は連れてこなかった。手術のこともいわなかったし、そもそも彼女はよくわかっていない。予防接種や歯科矯正、曽祖母が産まれた集落でいうと割礼のようなもの、といっても納得はしないだろう。この光景をみせたら、私や病院を悪霊に憑かれていると勘違いして、

    境界のない、自在な | VG+ (バゴプラ)
  • 走れメロス、俺はもう自分の人生のどこらへんを走っているのかわからん - メロスは激怒したが、俺も大概キレてる。(春海水亭) - カクヨム

    メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。 俺もまた激怒した。只管(ひたすら)、むしゃくしゃしていた。ひとまずは誰でも良かった。 「二人も来ることがあるか」 メロスも俺も、単純な男であった。 買い物を、背負ったままで、のそのそ王城にはいって行った。 たちまち彼らは、巡邏(じゅんら)の警吏(けいり)に捕縛された。 調べられて、俺の懐中(かいちゅう)からは短剣が出て来たので、 騒ぎが大きくなってしまった。俺は、王の前に引き出された。 妹の結婚式を間近にしてメロスは花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走を持っている。 母の葬式を間近にして俺は肌面積の多い女性のフィギュアを持っている。 メロスも、俺も、目先のことはとても考えられない男たちであった。 メロスのいきさつはこうである。 メロスが妹の結婚式の支度を終え街を歩いていると、やけに静かである。 そこで老爺(ろうや)に尋ねてみる

    走れメロス、俺はもう自分の人生のどこらへんを走っているのかわからん - メロスは激怒したが、俺も大概キレてる。(春海水亭) - カクヨム
  • 乙女力学概論(いとうはるか) - カクヨム

    百合SFというジャンルは優れた作品を生み出し続けているいわば黄金コンビである、と思っているのですが、この作品もその黄金コンビを活かした作品です。 一話一話は短く、百合という軸はありながら、連作短編というわけでもないので、気になった話から読むという楽しみ方も、ちょっとずつ読むという楽しみ方もできると思います。私は頭から一気読みした派ですが。 遺伝子改良、宇宙での戦闘、アンドロイド……などなどSFならではの設定を生かしながら、素晴らしい百合作品が五作も読めるというのはなかなか贅沢な体験です。揶揄されがちな言葉なので、使うのを躊躇してしまいますが、こう言うしかないでしょう。 「てぇてぇ」 …続きを読む

    乙女力学概論(いとうはるか) - カクヨム
  • Moon Face | VG+ (バゴプラ)

    町に月男と呼ばれる男がいた。まん丸のごつごつした顔は、日が沈むと周囲の明かりを静かに跳ね返して厳かに夜道を照らした。目もなく鼻もなく口もなく、だれも彼の声を聞いたことがない。だけど私にはなぜか、彼の言いたいことがよくわかった。それは一種の秘密の通信のようなものだ。ふたりだけの共通の暗号でしか解読できない。しかし通じているという確信めいた思いは一方通行だったのかもしれない。月男が私のことをどう思っていたのか、実際のところは知らない。私は自分がどのようにして月男と意思の疎通を図っていたのか、今となっては思い出すことすらできない。 あるとき地球から月へ資材を送るための輸送用ロケットの試号機が打ち上げられることになった。政府は月面の一部を開発して新しい教育の場にするのだそうだ。選定され送りだされた若い才能たちが、重力の薄い土地で、新素材に囲まれて、実験を繰り返し新たな科学技術を学び、応用し、発展さ

    Moon Face | VG+ (バゴプラ)
  • 四十九日抱擁|對馬考哉

    1 うどん。朝おはよう。イギリストースト。昼こんにちは。夜おやすみ。お父さんとお母さん死んだ。 2 出会いはじめまして。別れさようなら。くじら、リッチ、お菓子のこと。 3 ご愁傷様が終わって私は一人になった身体で、けいこうとうのひかりの中で、目をとじると、うすぼんやりとひかりが透けている目の裏で、まばたきの間の一瞬のこのひかりの感じで、私はお父さんお母さんのことのように一瞬だけここからいなくなる気がした。 4 今日からこれを記すと思い、言語的な日常をここに記すもの、としては、とりあえず的に数日前からのことがらの言葉を書いてみたのであって、私はひとりでべていくから、成長していく、だろうという気がして、私は言語を記すことで、なにか後で思い考えることができ、歯軋り、咀嚼、カレーパン、大盛りのご飯や茸汁、海魚をバスで売りに来る魚屋の演歌が(祭り歌)で出ている昼があって、酒を飲んでいて、私の身体

    四十九日抱擁|對馬考哉
  • 自由言語女子高生、美恵子 - 自由言語女子高生、美恵子(湯殿わたなべ) - カクヨム

    あたしの同級生に、自由言語女子高生の美恵子(みえこ)、という子がいる。なんで普通の都立高校、それも郊外のこんな、畑がある東京の学校で二年目を通う私と同じクラスに美恵子はいるのか。彼女は放課後になるとJR立川駅の北口にあるロータリーに座り込み、自分で書いている詩とも日記ともつかない散文を売っている。クラスの他の子の話によると、美恵子ちゃんは言葉でイメージを自由に駆け抜けたい、これはダダイズムでも五十年代のビートニク文学でもない、ユング心理学における集合的無意識への逆説的なアプローチを言葉でやっているんだ、ということらしい。正直、私にはなんの話なのかがわからない。私も彼女のクラスメイトだけど、多分、彼女は私のことを知らない。何回か美恵子ちゃんの詩を買ったことがあるけれど、それらは自由言語どころか不自由な言葉に見える。 美恵子の日記① 「隠したテストの点数。妖術の秘密。攻略の折り目のページ。焦

    自由言語女子高生、美恵子 - 自由言語女子高生、美恵子(湯殿わたなべ) - カクヨム
  • 絶望の世界

    ~エピローグ~ 虫のように・・・ 希望の世界 追     撃     編 第1章 「傷」 嘘でしょ。ねぇ。嘘なんでしょ。 第2章 「鎖」 奥田も俺も、似てるのかもな。 第3章 「塊」 あいつら、何者だったんだろう。 第4章 「駒」 このままでは、終わらせない。 ~プロローグ~ ・・・ここから始まった 迎     撃     編 第5章 「溝」 いつまで続くんだ。 第6章 「膜」 誰のせいでこんなことに。 第7章 「戦」 死んでく。どんどん死んでいく。 最終章 「蟲」 新たな希望、見つけました。 絶望サイドストーリー ぼくのにっき ъ( ゚ー^) アイルビーバッック (゚∀゚) フォロォォーミィィー (;´Д`) オゥベイビィ、イェェ (ρ_;)ノ グッバイ・・・ 狭間の世界 ボクの日記 第1章 「朝と夜」 ボクは誰ですか 第2章 「動と静」 彼は誰ですか 第3章 「光と影」 彼

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