36歳男。 今朝、死ぬ夢を見た。 路上で倒れて俯瞰視点になって誰も助けてくれない。 目が覚めてから走馬灯のように人生を振り返った。 結婚もしてないし女性とお付き合いした経験もない。学生時代の栄光もなければ仕事で活躍したりもしてない。そして今コロナで職場を追われその日暮らしをしているが、それでも悪くはないなと思えることも多かった。 幼少時に両親が離婚し、母親に育てられた。 2年の時だったか、「お父さんの仕事についてお話を聞いてきましょう」という宿題が出て、俺は母親に聞くしかなかったからそれを発表したら「何でお母さんなの?」みたいになって、教師の大したフォローもなく大泣きしながらそのまま帰った。 その日から不登校になったが、あの宿題の出来は結構良かった記憶。 文化祭のタイミングで教師がうちに来て、文化祭は来ような、みたいな感じになって「ふじまる」という相撲取りの役をやった。あれはイマイチだった
韓国現代文学特集 : イ・ラン インタビュー “できるだけ具体的に話すこと” / The power of “K” literature Issue : Interview with Lang Lee イ・ランは問いの人だ。シンガーソングライター、映像作家、コミック作家として活動する彼女の作品、そしてエッセイ集『悲しくてかっこいい人』には驚くほど多くの問いにあふれている。”なぜ?””どうしたら?”でいっぱいの本書を読むうちに、彼女が世界に対して投げかける問いは、私がどこかで抱きながらも投げ忘れていた問いであると気づく。「同じ時代を共に歩み、変えようとしている」、そんな感覚が胸に迫った人たちから国を超えて支持されているのだろう。今回は多岐にわたる表現活動で日本でも大きな注目を集める彼女に、問いを投げかけた。 ――『悲しくてかっこいい人』は出版から3年ほど前の2015年頃に執筆を始められたんで
『コンビニ人間』で第155回芥川賞を受賞された、小説家の村田沙耶香さん。村田さんの小説には、周囲にうまく溶け込めず「普通でいること」の圧力にさらされる主人公がたびたび登場します。そんな小説を書いている村田さんは、「普通」とどのように向き合ってきたのでしょうか。 「落ちればいい」と思いながら就活していた 村田さんが小説『授乳』でデビューされたのは、23歳のときですよね。まずは、デビューまでの経緯を教えていただけますか? 村田さん(以下、村田) 大学生の頃、文学学校に通いながら小説を書いていたんです。4年生になって就活を一応始めはしたんですが、小説を書き続けたかったので内心「落ちればいい」と思っていて……。 自分が不器用な性格だと分かっていたから、就職したら小説を書くのをサボってしまうかもしれないと思ったんですよね。そんな気持ちで就活していたので当然と言えば当然なんですが、1社を除いて全社不採
ことばと身体をめぐる系譜2016年に「青が破れる」で文藝賞を射止め、また同作で三島由紀夫賞の候補に入るという鮮烈なデビューを飾った町屋良平は、ひらがなを多用した明晰さと視界の悪さを併せ持つ独特の思弁的な語りをトレードマークとした作家だ。 当初、一見して「拙さ」として目立ちうるその文体が現代日本の純文学シーンでどのように評価されるのかを勝手に不安におもっていたのだがその心配は杞憂となる。ダンスに打ち込む男子高校生の1年を描いた青春小説『しき』では、その不確かでありながらもなにかを見つめ続けようとするかれのテクストが心と身体の運動としてより洗練され、「身体性」ということばで高い評価をうけ、芥川賞候補に名を連ねた。続く2018年下半期は書評家の倉本さおり氏が新しいフリーター小説として高く評価した『愛が嫌い』を発表し、そして芥川賞受賞作となった『1R1分34秒』など次々と傑作を発表し、まさしく作家
日本のみならず世界中の文学者・文学愛好家に強い影響を与え、日本の右派・右翼思想上の最重要人物でもある三島由紀夫の最高の知性と最悪の愚行が、どのようにつながっているのか?近代文学史上、そして、日本の思想上の大問題ともいうべき、この「謎」に、現代日本を代表する社会学者が最終解を与える。 11月25日が何の日かご存知だろうか? 若い読者はまだ生まれてもいない昭和45年(1975年)のその日、ノーベル文学賞の候補にもあがるほどの文豪・三島由紀夫は、東京・市ヶ谷の自衛隊駐屯地に突入し、自衛隊員にクーデターのための決起を呼びかけ、失敗すると見るや、予定していたかのように、その場で切腹自決を図った。 古代ギリシャ以来の西洋思想・西洋文学の知識を独自の方法で咀嚼し、日本の文学史上に燦然と輝く作品群へと昇華させた、あの戦後最大の知性が、なぜ、このような愚行とも言える最期を遂げようとしたのか。 三島には何か本
(小説系雑誌つまみ食い 18−−「群像」6月号、「新潮」6月号) 橋本勝也「具体的な指触り」 「群像」6月号に、群像新人文学賞評論部門の優秀作として、橋本勝也「具体的(デジタル)な指触り(キータッチ)」が掲載されている。すでに一部で話題にされているが、この評論はSF評論賞に落選したものだという。 http://d.hatena.ne.jp/otokinoki/ http://www.hirokiazuma.com/blog/ 橋本は、セカイ系を批判しつつ、村上春樹の『海辺のカフカ』や『アフターダーク』を論じている。そこでは、読者が小説に対して働かせた想像力の責任が語られる。そして、読者を「キーボードの操作主体」に喩えつつ、小説中に描かれなかった救済を読者自身がプログラミングし想起すべきだという方向に論を進めていく。 この評論は、ゲームの登場人物や世界を操作するプレイヤーという立場の責任や主
(原稿用紙換算約24枚) 短篇小説が好きだ。とても好きだ。ものすごく好きだ。と三度繰り返すくらい、自分は短い小説が好きだ。 短いものや小さいというのはそれだけでいいものなのだ。小さいものは持ち運べる。自分の行くところ、どこへでも持っていける。大きいものになるとそうはいかない。たいてい自分のほうがそちらに行かないといけないわけで、それもなかなか億劫ではないか。もちろんそれはそれで良さがあるし、ものには役割というものがあるのだが。 創作講座をやったり、年2回刊行の文芸誌の編集をやったり、そして電子書籍レーベルを立ちあげ、そこでも編集者の仕事をしているので、とにかく原稿を読むことが多い。それも短篇が圧倒的に多い。 そしてわたしはどうも特殊な体質らしく、たいていどんなものでも面白く思う。そうでないものはなかった。しかし何となく残念に感じたこともあって、それは半分くらいの書き手が海外文学をあまり読ん
<優れた文芸小説『ロリータ』によって、男性の性的ファンタジーである「大人の男を誘惑する少女」のイメージが浸透してしまった> 日本では、ウラジミール・ナボコフの小説『ロリータ』のことを知らない者はいないだろう。 心理学者が前書きをしている犯罪者の手記、という手がこんだ形のフィクションで、その告白文の語り手が、少女性愛者のハンバート・ハンバート(仮名)だ。パリ生まれのハンバートは、ヨーロッパで過ごした子供時代に性的な体験を共有した少女アナベルのことを忘れることができず、少女のような未熟な体を持つ女性との関係で追体験をしようとしてきた。 30代後半になったハンバートは、移り住んだアメリカ・マサチューセッツ州の田舎町で、下宿先の娘である12歳のドローレス・ヘイズ(ロー、ドリー、ロリータ)に一目惚れし、欲情をいだく。彼はドローレスと一緒にいるために母親シャーロットと仕方なく結婚するが、邪魔者であるシ
背徳の方程式―MとSの磁力 作者: 見沢知廉 出版社/メーカー: アルファベータ 発売日: 2011/07 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る おれと見沢知廉、見沢知廉とおれ。おれが見沢知廉を知ったのは、稀代のクソ雑誌『GON!』には違いない。それゆえに、おれが見沢知廉をならやたかしの『ケンペーくん』と同じように見ていた可能性は否めない。否めないが、やはり『天皇ごっこ』や『囚人狂時代』を読み、受けた影響は小さくないようにも思う。 本書は、見沢の遺品の中から見つかった4つの小説からなる。遺品の中から見つかるくらいなので、著者自身や編集者による幾度の校正を経たものではない。だからといって下手な文章だ、と切り捨てられるものではない。そもそも、見沢知廉は名文家であったろうか? そことはべつの、なにか「本物」であること、それが溢れ出るところに魅力があったので
2015年08月04日 女流/小島信夫 小島信夫の、順番で言うと5つめくらいの長編ということになるのだろうか。『抱擁家族』のひとつ前である。「前期」小島信夫作品と位置づけて良いだろうか。わたしはこの作家を系統的に読んでいないのでよくわからないのだけど。まだ普通の小説の域にある小説を書いている時期である。しかし十分に面白い。またこの作品は後の怪作『菅野満子の手紙』の種子にもなっている作品でもある。わたしはそっちを先に読んでしまった。でも、覚えていないので、どうということはない。 さて、この作品だけど、なんでも由起しげ子という実在の作家をモデルにしている小説だそうで。小島信夫が三十半ば、まだ作家デビューしてないころに、川端康成や坂口安吾に絶賛され、芥川賞を受賞した(戦後再開後初の受賞である)女流作家なのだけど、どうして彼女をモデルにした小説を書いたのか、そこのところは分からない。個人的な交友が
By Arslan 既存の出版会社を通さず、Amazonのオンデマンド出版サービス「CreateSpace」で自己出版した書籍がフランスの文学賞「ルノードー賞」の候補に選ばれました。まさに新たな出版の形を予感させるできごとであるわけですが、これについてフランス全土にある独立系の書店を代表する団体が、賞を運営する団体とAmazonに対して抗議の声を上げています。 SLF : Syndicat de la librairie française | Le SLF alerte les jurés du Prix Renaudot sur les conséquences de la sélection d'un livre autoédité par Amazon | http://www.syndicat-librairie.fr/le_slf_alerte_les_jures_du_pri
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