(原稿用紙換算約24枚) 短篇小説が好きだ。とても好きだ。ものすごく好きだ。と三度繰り返すくらい、自分は短い小説が好きだ。 短いものや小さいというのはそれだけでいいものなのだ。小さいものは持ち運べる。自分の行くところ、どこへでも持っていける。大きいものになるとそうはいかない。たいてい自分のほうがそちらに行かないといけないわけで、それもなかなか億劫ではないか。もちろんそれはそれで良さがあるし、ものには役割というものがあるのだが。 創作講座をやったり、年2回刊行の文芸誌の編集をやったり、そして電子書籍レーベルを立ちあげ、そこでも編集者の仕事をしているので、とにかく原稿を読むことが多い。それも短篇が圧倒的に多い。 そしてわたしはどうも特殊な体質らしく、たいていどんなものでも面白く思う。そうでないものはなかった。しかし何となく残念に感じたこともあって、それは半分くらいの書き手が海外文学をあまり読ん