東日本大震災から3カ月が過ぎ、避難所から仮設住宅への入居が進む被災地で、飲酒問題の増加を懸念する声が出ている。周囲の目がなくなるなど環境の変化に伴い緊張の糸が切れ、入居者のアルコール依存度が高まる傾向もあるという。 宮城県石巻市の自宅が全壊した70代の男性は、妻とともに親戚の家に身を寄せていたが、今月上旬から同市にある仮設住宅で新たな生活を始めた。飲酒について「朝からという日もある。量は増えたかな」と打ち明ける。以前の避難先は妻の親戚宅だった。「気を使っていたが、ここ(仮設住宅)はくつろげるから…」と話す。 飲酒問題の電話相談を受け付けている同市健康推進課には、過去にアルコール依存症を克服した男性から「避難所では我慢できたが、仮設住宅に入ってまた飲み始めてしまった」との相談もあったという。 県東部保健福祉事務所の臼井玲子技術次長(55)は「避難所ではストレスを抱えても、周りに同じ境遇